記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
睡眠時無呼吸症候群の治療の際に、マウスピースが使用されることがありますが、具体的にはどのような効果があるのでしょうか?睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療について解説します。
スリープスプリントと呼ばれるマウスピースを利用した治療方法で、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が改善するケースがあります。この治療は、下顎を上顎より前に出して固定し、上気道を広く保つことでいびきや無呼吸を防ぐ治療法です。マウスピースの作製は、SASや口腔内装置に詳しい専門の歯科医に依頼することをおすすめします。
マウスピースによる治療は、軽度~中程度の閉塞性睡眠時無呼吸の患者さんに比較的有効ですが、重症の患者さんには治療が不十分となる可能性があります。そのため、まずは自分の症状がどの程度なのかを知る必要があります。症状の程度を知ったうえで、医師と今後の治療方針を決めていきましょう、また、保険診療の有無については歯科医に確認するようにしましょう。
SASの改善には、以下のような「生活習慣の改善」が必要になってきます。マウスピースを使っても良くならない場合は、再度生活習慣を見直してみましょう。
体重が1割減ると、無呼吸や低呼吸になる確率が3割少なくなるという研究結果があります。ただし、急激に体重を落とすとリバウンドする可能性が高くなるので、時間をかけて少しずつ落とすようにしましょう。
睡眠不足になると、マウスピース治療の効果が出にくくなってしまいます。また、夜型生活や睡眠時間が不規則の場合、日中の眠気や睡眠の質の低下に繋がるので、なるべく決まった時間に睡眠を取るようにしましょう。また、睡眠時間は最低7時間取るのが望ましいとされています。
夜型生活を防ぐためにも、朝起きた時に日光を浴びるようにしましょう。また、お昼の休憩時間などに20分ほど仮眠を取ることで、午後の眠気を解消し頭をクリアにすることができます。
アルコールは、喉の筋肉を緩める効果があるため、無呼吸や低呼吸になるリスクを高めてしまいます。また、アルコールには睡眠の質を低下させ熟睡を妨げる作用もあるので、過剰摂取は控えましょう。20時以降のカフェインの摂取も、睡眠の質を低下させたり寝つきを悪くするので、就寝前は控えましょう。
タバコに含まれているニコチンには覚醒効果があるため、就寝前や眠れないときの喫煙は控えましょう。
睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療は、比較的軽症~中程度の症状の人に使用されます。しかし、マウスピースをつけていても、睡眠不足などの生活習慣の乱れによって効果が現れない場合があります。睡眠時無呼吸症候群には普段の生活習慣も大きく関係しているので、日頃から規則正しい生活を心がけるようにしましょう。