記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/2/21
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
離婚すると生活が大きく変わります。それは自分のことだけではなく、家族にも影響します。引越しをはじめ、子どもが離婚した両親の家を行き来したり、再婚相手の連れ子と一緒に暮らすことになったり、それまでとは別の家族のかたちが生じます。それは同時に、子どもが何歳であってもストレスになり、少なからず影響を及ぼします。離婚後に親ができることは、子どもの不安を理解し、問題を解決する方法をつくることです。この記事ではその手がかりとなるものを紹介していきます。
離婚後に迎える新たな生活として、最も大きく家族に影響するのは家族の形態の変化です。考えられる家族形態ごとのポイントをあげていきます。
2つの家庭での生活は、子供に負担がかかります。離婚相手と協力して、就寝時間、食事、しつけ、宿題、友達づきあい、などについて、両方の家で一貫したルールや習慣を作りましょう。
さらに、両方の家で子どもに快適な環境をつくってあげられるようにしましょう。たとえば、子どもの寝る部屋は客間などではなく、子ども専用の部屋を用意するといったことです。
親が再婚して、義理の親ができることは子どもにとって複雑なことです。感情的になることもあります。子どもとともに再婚相手の家で暮らすことも、再婚相手を迎えるのも大きな変化になります。
再婚する場合は、家族として(離婚相手と再婚相手とも)協力して、新しい生活のために計画を立ててください。
再婚相手には連れ子がいることがあります。連れ子は自分の子どもと一緒に生活するかもしれません。どちらかの家のルールが適用される場合は、家庭によって異なるルールもあることを子どもに伝えることが重要です。
家族もそれぞれ年を重ねるごとに、自分の生活に変化が生じます。新しい生活を迎えるにあたって、考慮すべき事項を次にあげていきます。
2つの家庭で生活することは、子どもには難しいことがあります。 生まれてから5歳までの間にこうした行き来があると、睡眠や食事、しつけの面で悪影響を及ぼす可能性があります。
子どもが小学校に入学すると、宿題、課外活動、友達づきあいのウェイトが増え、子どもが不安に思う要素が増えます。10代の若者の場合、デート、ドライブ、バイト、そして高校卒業後の将来設計もあります。
再婚した夫婦では、義理の親が子どものために果たす役割を理解すると、家庭生活をより良くすることができます。子育てに関する費用については、義理の親も協力する義務があります。
子どもたちはしばらく同じ家で一緒に暮らすことになります。お互いにうまくやれないこともあるかもしれません。さらに、義理の親(再婚相手)に対しての反発があるかもしれません。双方の家のルールと大人の立場を明確に定義しましょう。
離婚して家族形態が変わるとき、子どもが知りたいと思うことは以下の点です。
・どこに住むことになるのか(いまの家に留まるのか)
・どこの学校に行くのか
・親権がない親と、どれくらいの頻度で会えるのか
・友達づきあいはどうなるのか
・夏休みや休日はどのようになるのか
・これからも自分の好きな活動に参加することができるのか
子どもが不安に思っていることを理解し、できるだけ早く問題を解決することで、離婚した後の家族の生活を安定させることができます。