記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
気管支喘息(喘息)は、アレルギーなどが原因で発症すると考えられています。子供に多い病気ですが、大人にも発症の可能性があり、ストレスが原因になることをご存知でしょうか。
この記事では、喘息とストレスの関係性と、症状を悪化させないための方法について解説しています。
気管支喘息(喘息:ぜんそく)とは、アレルギーなどによって気管支が炎症を起こして狭くなり、呼吸が苦しくなる発作を繰り返す疾患です。
日常生活から考えられる原因物質として、特定の食品や添加物、ハウスダストや花粉などのアレルギー物質、化学物質でつくられた化粧品や塗料、住宅建材、解熱鎮痛剤の副作用などがあります。
また、気候の変化、大気汚染、タバコの煙などの刺激、感染症や飲酒、運動が誘因となる場合もあり、特に非アトピー型の中には、過労や過度のストレスによって自律神経やホルモンバランスが乱れ、それによって気道が収縮して喘息の発作を起こしやすくなるものが増えているといわれています。喘息は子供の病気というイメージが強いかもしれませんが、たまった疲れやストレスが引き金となって大人になって初めて発症するケースもあるので注意が必要です。
アレルギー性の疾患のある人は、喘息にもなりやすいといわれています。ストレス性の気管支喘息が疑われる場合には、呼吸器科かアレルギー科を受診するようにしましょう。
喘息は、アレルギーの有無やゼーゼーヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)の有無、類似した咳や痰の出る感染症の可能性などを確認する必要があり、即座の診断が難しい病気です。一般には、問診と診察の後、胸部レントゲン検査、呼吸機能検査、気道可逆性検査、血液検査などを必要に応じて行うことになりますが、検査には日数のかかるものもあります。
医師はこれらの検査結果から喘息かどうか、もし喘息ならどのタイプの喘息かを判断し、症状に合った薬を処方しますが、一般的には、吸入した場所だけに作用するステロイド吸入薬を基本に、症状によって複数の薬を組み合わせます。
大人になってから喘息になった人のうち症状が消失するのは1割程度といわれています。医師から処方された薬を指示通り使っていくとともに、生活習慣を改善しながらうまく付き合っていくことが大切です。
生活習慣としてまず大切なのは、「ストレスをためない」ことです。適度に休養をとり、趣味や好きなことをして上手に発散するようにしましょう。ただ、仕事などでどうしてもストレスを避けることができないという場合は、長期管理薬(吸入ステロイド薬や長時間作用性β2刺激薬など)で症状をコントロールすることになります。薬は必ず医師の指示通りに使用してください。
また、気道を刺激し炎症を悪化させるタバコは厳禁です。「禁煙」するとともに、受動喫煙にも注意が必要です。そのほか、十分な睡眠をとる、疲労をためないように心がけ、風邪などにかかるとアレルゲンに敏感になるので、インフルエンザの流行シーズンにはマスクの着用やうがい・手洗いなどを敢行して感染症予防に努めましょう。
喘息は、原因物質が特定できるものとそうでないものがあり、過労や過度のストレスによって大人になってから発症するケースも増えています。ひどくなる前に呼吸器科かアレルギー科を受診し、自分の喘息のタイプに応じた処方をしてもらい、発作をコントロールするようにしましょう。同時に、悪化させないために生活習慣を整えることも大切です。