記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/30
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
気分が落ち込むうつ状態と、気分が高揚して衝動的に行動してしまう躁状態を周期的に繰り返す双極性障害は、治すことのできる病気なのでしょうか?
今回は双極性障害が完治するのかどうか、再発の可能性と再発予防のためにできる対策とあわせてご説明していきます。
双極性障害は非常に再発しやすい病気であることで知られ、適切な治療を受けていても、完治させることは難しいと言われています。
双極性障害を一度発症したら、症状が治まって寛解状態になったとしても、気分の落ち込み・高まり・ムラを解消する治療薬の服用を中止すると、再発するケースがほとんどです。
このため、双極性障害の患者は症状が治まっても最低3~5年、長い人では一生涯にわたって、薬の服用を続ける必要があります。
ただし、適切な薬の服用さえ続けていれば症状を抑えられるため、ほとんどの患者が問題なく社会生活や仕事を続けることができるとも言われています。
もし、あなたが双極性障害と診断されたら、糖尿病や高血圧など、長期的な服薬・治療が必要な持病の一種であると捉えるようにすると良いかもしれません。
双極性障害の再発を予防し、寛解状態を維持するには、日常生活で以下の点に注意しながら、継続的に治療を続ける必要があります。
双極性障害の再発予防に、継続的な治療薬の服用は欠かせません。
決して自己判断で服薬を中止したりせず、医師の指示のもとで用法・用量を守って適切な服薬を続けてください。
双極性障害を発症する人のなかには、几帳面で完璧主義であるなど、発症理由となるストレスを感じやすい性格的な要因を持っている人たちがいます。
ストレスは双極性障害再発の大敵ですので、自己評価の基準を緩くする、無理せず周囲に相談する習慣をつけるなど、生活や仕事への考え方を変えてみましょう。
一般的に、患者本人は躁状態を、周囲はうつ状態を軽く考えてしまう傾向があります。
双極性障害の再発を予防するためには、患者と周囲の双方が病気について正しく理解し、お互いをサポートできる体制を整えることが重要です。
双極性障害が再発する場合、直前に大きなストレスや生活習慣の変化などのきっかけや、睡眠障害・衝動的な行動などの兆候を感じているケースが多いです。
具体的な内容は人によって異なりますが、発症・再発を経験したらその前後の出来事をよく思い返し、自分なりの発症の「サイン」を理解しておくと、再発予防に役立ちます。
双極性障害は非常に再発しやすく、一旦発症すると完治は難しいです。しかし、症状は医師のもとで適切な服薬を続ければ抑えられるので、寛解状態のまま仕事や日常生活を続けることは可能になります。双極性障害を発症したら気長に付き合うべき持病の一種と捉え、病気と治療への理解を深めながら、再発予防に努めてくださいね。