記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/7
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
髄膜に炎症が起こることで、発熱や頭痛、嘔吐といった症状が出る「髄膜炎」。この髄膜炎を発症する原因は、赤ちゃんや子供、大人で違うのでしょうか?以降で解説していきます。
赤ちゃんや乳幼児が髄膜炎を発症した場合、その多くは細菌感染が原因です。生後1ヶ月未満の赤ちゃんの場合はB群レンサ球菌や大腸菌、リステリア菌、5歳くらいまでの乳幼児の場合はインフルエンザ菌b型(ヒブ)や肺炎球菌が原因のケースが多いといわれています。
大人の髄膜炎の原因として多いのは、先述の肺炎球菌と、髄膜炎菌といわれています。
健康な人の鼻や喉などの粘膜に存在する菌で、咳やくしゃみを通じて人へと感染します。菌を含んだ飛沫が気道に入り、血中から髄膜へと達することで髄膜炎を起こすようになります。髄膜炎菌性髄膜炎の発症者・年間30万人のうち、およそ3万人が死に至るといわれています
髄膜炎菌性髄膜炎はアフリカ中央部に多発しているため、この地域に渡航予定のある人はワクチン接種が必要になります。
【 厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】
髄膜炎を起こすのは細菌だけではありません。特定のウイルスがきっかけで発症することもあります。以降では、髄膜炎の原因となる主なウイルスをいくつかご紹介します。
ウイルス性髄膜炎は、多くの場合後遺症なく回復しますが、ムンプスウイルスの場合は難聴が、水痘ウイルスの場合は脳の障害などがそれぞれ残る恐れがあります。赤ちゃんや子供は、保育園や学校などの集団生活の場でこれらのウイルスに感染し、髄膜炎を発症してしまうケースがあるので注意が必要です。
赤ちゃんも大人も、細菌やウイルス感染をきっかけに髄膜炎を発症することがありますが、年齢によって原因菌の傾向は少しずつ異なります。ワクチン接種で未然に予防できるものも多いので、感染や重症化する前に対策に努めましょう。