いぼ痔の市販薬って軟膏以外にもあるの?選ぶときのコツはある?

2018/6/8 記事改定日: 2018/8/10
記事改定回数:1回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

いぼ痔に効果のある市販薬はどのようなものがあるのでしょうか?また治すコツなどはあるのでしょうか?ここでは、いぼ痔の市販薬について解説していきます。

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いぼ痔の市販薬って軟膏しかないの?

外用薬

一般的に、外用薬には4つのタイプのものがあります。使用する部位や症状に合わせて使い分けるようにしましょう。

坐薬

いぼ痔の種類
内痔核
使用する部位
肛門の内側にある患部に、固形状の薬を差し込み使用します。

軟膏

いぼ痔の種類
外痔核
使用する部位
肛門の外側やその周辺にある患部に、直接塗りこみ使用します。

注入軟膏

いぼ痔の種類
内痔核・外痔核
使用する部位
肛門の内外を問わず使用できます。内痔核の場合は肛門の内側に注入し、外痔核の場合は患部に直接塗りこみ使用します。

内服薬

一般的に、内服薬には2つのタイプがあります。

錠剤・顆粒剤

いぼ痔の種類
内痔核・外痔核
特徴
服用することで体の内側から症状の改善をはかります。

舌下錠

いぼ痔の種類
内痔核・外痔核
特徴
舌の裏にある血管を経由して、患部に直接行き届き、いぼ痔を小さくする効果があります。

市販薬でいぼ痔を治すコツは?漢方薬でも治せる?

痔に効果のある市販薬には、止血作用と便通の改善作用のあるものがあります。漢方薬には体質を改善する作用もあり、西洋医学の薬には軟膏・坐薬・便秘薬などの様々なタイプのものがあるので、症状や使用する部位に合わせて使用するようにしてください。

ただし、長期間使っても改善しない場合や、他の薬を使っている場合は必ず医師に相談しましょう。

槐角丸(かいかくがん)
いぼ痔の出血に効果があるとされています。
乙字湯(おつじとう)
便通の改善硬といぼ痔のうっ血を取り除く効果があるとされています。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
血行不良を改善する効果があるとされています。
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
血行不良や便秘を改善する効果があるとされています。
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
暑がりでのぼせ気味の人の痔出血や熱冷ましに効果があるとされています。
芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)
貧血気味で冷え性の人の痔出血に効果があるとされています。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
脱肛気味の人に不足したエネルギーを補充することで、下垂感を止める効果があるとされています。
千金内托散(せんきんないたくさん)
あな痔の人に不足している膿を出すパワーを補充するとともに組織再生を促進し、治癒を早める効果があるとされています。
塩類下剤
マグネシウムの浸透圧作用により腸管に水を引き出し、便秘を改善する効果が効果があるとされています。
ステロイド軟膏
切れ痔や外痔核の血まめの痛みなどに効果が効果があるとされています。

医者に相談したほうがいいのは、いぼ痔がどんな状態のとき?

いぼ痔に悩んでいる人は多いと思いますが、全ての人が病院で治療を受けているわけではなく、市販薬を使用するなどの対策を行ってセルフケアをしている人が多いのが現状です。

しかし、市販薬を使用しても痛みがよくならないときや、排便時に出血を繰り返すとき、肛門から脱出したいぼ痔が大きく腫れて元に戻らないときなどは、痔核を切除する手術や、痔核の根元をゴムで結紮して自然に脱落するのを待つゴム輪結紮療法などが必要になることもあります。

このような状態のいぼ痔に対して自己判断でセルフケアを続けていると、更に症状が悪化して肛門に炎症を引き起こし、膿の塊ができるなどの症状が現れることもあります。なるべく早めに病院を受診して、検査・治療を受けるようにしましょう。

おわりに:自分の症状に合った薬を選びましょう

いぼ痔の市販薬には、坐薬・軟膏・注入軟膏などの外用薬、錠剤や顆粒剤・舌下錠などの内服薬の他に、体質を改善する漢方薬などがありあます。いぼ痔の市販薬の主な効果として、止血作用と便通の改善作用があり、形状も様々なタイプのものがあるので、症状や使用する部位に合わせて使用してください。ただし、他の薬との相性もあるので、薬を使っている場合は必ず医師に相談してから使うようにしましょう。

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