記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
2018/7/20
記事監修医師
日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科
川俣 綾 先生
白く明るい歯になれることで人気の「ホワイトニング」ですが、ホワイトニングにはどんなデメリットが存在するのでしょうか?歯科で行うホワイトニングとホームホワイトニングの事例に分けて、詳しく解説します。
オフィスホワイトニングは、歯の厚みの違いにより1回の施術で白さが均一にならないことがあります。また、白さの持続期間は3~6カ月ほどで、ホームホワイトニングと比較すると色戻りが早いとされています。
健康保険が適用される場合は3割以下の自己負担となりますが、基本的にオフィスホワイトニングは保険適用外のため、全額自費となる場合が多いです。
費用は1万円前後が相場とされていますが、中には10万円を超えるところもあるなど、歯科により異なります。また、追加の施術費用もかかるので、あらかじめ確認をしておきましょう。
ホワイトニングの持続期間は永遠ではないため、白さを維持するためにはメンテナンス(タッチアップ)をする必要があります。
ホームホワイトニングで使用する薬剤はオフィスホワイトニングの物と比べて効果が弱いため、白くなるまでには時間がかかります。個人差はありますが、シェードガイド※より1段階明るくなるまでに2週間ほどかかるとされています。
また、ホームホワイトニングでは全部自分で行うため、歯の白さの調整が難しいとされています。
※シェードガイドとは、歯の白さの指標となる色見本のことです。
ホームホワイトニングで使用する薬剤は、オフィスホワイトニングの物と比べると濃度が低いですが、歯の保護膜を溶かしてしまうことには変わりありません。また、過酸化尿素という成分の濃度10~20%の物は安全性が高いとされていますが、歯に与える影響は少なからずあります。
歯に塗布するだけものからマウスピースとホワイトニング剤のセットのものまで、種類や値段の様々なものが、インターネットの通信販売などで販売されていますが、自己責任での購入となります。
使用するホワイトニング薬剤の濃度が薄いため、効果が出るまでに時間がかかり、途中で嫌になってしまうこともあるようです。薬剤の保管やマウスピースなどのお手入れも自分で行うため、面倒になってしまう人もいます。また、適切にマウスピースや薬剤を使用できているかの確認が自分では難しいという問題もあります。
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オフィスホワイトニングのデメリットとして、色落ちの早さ・過酸化水素による知覚過敏・保険適用外・定期的なメンテナンスの必要性などが挙げられます。一方、ホームホワイトニングのデメリットとしては、時間や手間がかかる・白さの調整が難しい・必要な道具を自分でそろえる必要がある・効果が出るまで時間がかかるなどが挙げられます。ただし、それぞれにメリットもあるので、ご自分にあったホワイトニングを選ぶようにしましょう。