いざというときのために、自分の薬歴を作ろう

2017/3/23

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

入院や転院が必要になったときに備えて、服用してきた薬のリスト(薬歴)を用意しておくのがお勧めです。もちろん、病院間で薬歴を共有されることが多いのですが、自分自身でも用意しておけば、間違った薬を服用したり、服用すべき薬の数が違ったりといったリスクを小さくすることができます。

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自分の薬歴を作る

現在服用している薬の種類を自分で記録しておくと、あなた自身はもちろん、医療関係者(医師、看護師、薬剤師など)がどんな薬を服用してきたかを確認しやすくなります。このリストを常に持ち歩くようにすると、記録の追加・修正がしやすいですし、万が一旅先で病気になったときに医療関係者に提示すれば、使わないほうがいい治療薬があるかどうかの参考になるはずです。

処方薬は、薬の情報が書かれたリーフレットとともに渡されます。このリーフレットに、処方薬の安全かつ効果的な使用方法が書かれています。もしリーフレットを出してもらえなかったときは、薬剤師の方にお願いして出していただきましょう。

自分の薬について質問や不安がある場合は、医師に尋ねることができます。もし、医師の話がわからないときは、もっと簡単に説明してもらえないか、お願いしてみましょう。待っている患者が多いのでお願いしづらいときは、近くの薬剤師に尋ねてみるのもよいと思います。このとき、治療薬に対する不安や心配を相談することもできます。

薬歴を活用できる場面

薬歴を作っておくと、以下のような場所で役に立ちます。

入院・転院するとき

入院もしくは転院する場合には、薬歴も入院・転院先の病院へ持って行くと、入院先もしくは転院先の病院でも服用し続けることが可能です。

入院前に最新の薬歴を作り、医療関係者に提示してください。入院前に薬を一緒に持ってくるように頼まれたときは、必ず服用している薬をすべて持っていってください(転院の場合は、できればもともと薬が入っていた袋にすべての薬を入れて持参してください)。

病院では、あなたが入院してから24時間以内に、医師、看護師、その他の医療従事者が服用中の薬をチェックする必要があります。もし、関係者がチェックしないようでしたら尋ねてみましょう。

退院後

退院後も薬の服用が必要なときは、退院する際に薬について説明をしてもらうようにしてください。特に、新しい薬が処方されたときには必ず説明を受けましょう。その際、後で見直すことができるよう、リーフレットも必ず受け取ってください。また、自分の薬歴リストに新しい薬を加えることを忘れないでください。

退院後、初めて医師の診察を受けるときは、医師が服用薬を変更したことを忘れていないかを確認してください。診察時に薬歴リストを持っていくのがおすすめです。

おわりに

薬歴は医療関係者が治療に活用できるのはもちろん、自分自身がどんな薬を飲んでいるか(あるいは、飲み終えたか)を把握するときにも役立ちます。ぜひ手元に用意しておきましょう。なお、処方された薬は安全な場所に保管してください。そして、処方された薬はすべて飲み終えるようにし、自己判断で服用を中止するようなことはしないでください。

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