記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/3 記事改定日: 2019/6/5
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
コーヒーや紅茶などを飲んだときに限って、お腹を壊したり、気分を悪くしたりする方もいらっしゃいませんか。今回はカフェイン摂取と病気の関係性、消化器症状が出たときの対処法を中心にご紹介するので、トラブル改善に役立ててください。
結論から先に言うと、カフェインアレルギーという病気はありません。
ただし、カフェインの摂取によって、何かしらの消化器症状が出ることはあります
もちろん胃腸自体のもともと病気やトラブルがあったということも考えられますが、食物不耐性が原因になることもあるのです。
食べ物による不利益な反応には「アレルギー」と「食物不耐症」の2種類があり、病気の発生に免疫システムが関係しているかで分かれています。
そして、カフェイン摂取による消化器症状は、免疫システムとは関係ない「食物不耐症」で起こります。
食物不耐症には代謝性疾患や薬理学的反応などがあり、カフェイン摂取による消化器症状は「薬理学的反応」に当てはまります。
これは体にカフェインが入ってきたことで体内で強い化学反応が起こり、それによって身体的な異常が現れてしまっている状態です。
食物不耐症の代表的な症状は
といった消化器症状で、まれに呼吸困難といった重篤な症状を伴う場合もあります。
ただ、全身の症状や皮膚症状などが見られることもあり、症状や程度には個人差があります。
カフェインを多く含む飲料を飲んだ後に下痢や腹痛などの症状が現れた場合は、カフェイン不耐症の可能性があります。しかし、根本的な治療方法はなく、体内からカフェインが排出されるのを待つしかありません。カフェインの半減期である4~6時間ほど経てば徐々に症状も改善していきます。
下痢や腹痛の症状が強い場合は、無理をせずにゆっくり休み、失われた水分を補うために電解質が含まれた経口補水液などを多めに摂って脱水を予防してください。
また、症状が非常に強い場合や、半日以上経っても症状が続く場合はできるだけ早く病院を受診して治療を受けるようにしましょう。
カフェイン摂取による症状がある場合は「食物不耐症」かもしれません。そのため、もし可能であれば、カフェインの摂取を控えてみるといいでしょう。それでも何か症状が続くようであれば、一度医療機関を受診し、きちんと診察を受けるようにしてください。