記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
膠原病の一種・シェーグレン症候群の治療ではどのようなことを行うのでしょうか?また、治療中の日常生活での注意点などはあるのでしょうか?シェーグレン症候群の症状や、専門の診療科はどこかなどと併せて解説していきます。
シェーグレン症候群とは膠原病の一種で、関節リウマチの次に患者数が多い病気とされています。膠原病とは細菌やウイルスなどから身体を守っている免疫細胞が、何らかの原因により自分の身体を攻撃するようになる病気のことで、20種類ほどある自己免疫の病気の総称です。
膠原病の特徴として、関節症状や結合組織の炎症などが起こるという特徴があります。また、シェーグレン症候群の症状は腺症状と腺外症状の二つに分けられ、以下のような症状が起こります。
主な症状として
などが挙げられます。
症状の種類や程度は人により異なり、突発的に発症する場合もあれば、徐々に症状が進行していく場合もあります。治療が遅れると3割ほどの人が、間質性肺炎、腎炎、中枢神経障害などの重篤な臓器障害になる可能性があるため注意が必要です。
症状に少しでも心当たりのある人は、すぐに専門の医療機関を受診するようにしましょう。
通常、シェーグレン症候群の専門家は、膠原病内科、リウマチ内科、血液内科、眼科、皮膚科、耳鼻科、歯科・口腔外科などの診療科に在籍しています。
しかし、シェーグレン症候群は目や口の乾燥の自覚症状だけでなく、他の全身症状が隠れている可能性があるため、可能であればリウマチ膠原病内科を受診することが望ましいでしょう。
シェーグレン症候群を根本的に治す治療法はないため、基本的には、乾燥症状の改善や現れた症状の制御・緩和などの治療を行います。症状が進行している場合や活動性が強い場合は、それらを抑制するため副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬の服薬を行います。
ただし、症状が比較的軽い場合や、落ち着いている場合は、これらの薬剤が処方されることはあまりありません。
涙や唾液を補充する対症療法が主体です。
涙の分泌量が少ない場合には、人工涙液が使用されます。また、ドライアイ眼鏡の着用や、涙点(涙の出口)を塞いで涙の流出を抑える方法(涙点プラグ、涙点縫合)が行われることもあります。
飲水やうがいによる効果は短時間のため、基本的には、人工唾液や保湿成分を配合したジェル、唾液の分泌を促進する薬剤などが使用されます。ただし、薬の効き方は人により異なり、消化器症状や発汗などの副作用が起こる場合もあるので、注意して使用する必要があります。
各臓器の症状に合わせた治療が行われます。
比較的軽度の場合が多いため、非ステロイド性抗炎症薬が使用されます。
治療中には以下のことに気をつけましょう。
シェーグレン症候群とは膠原病の一種で、関節症状や結合組織の炎症などが起こるという特徴があります。シェーグレン症候群を根本的に治す治療法はないため、基本的には、乾燥症状の改善や現れた症状の制御・緩和などの治療を行います。気になる症状のある人は、リウマチ膠原病内科を受診しましょう。