記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/3/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
分かりきっていることですが、適切な運動やよく動くことは、高齢になっても意欲をもって自立して健康的な生活をおくることを助けます。
65歳以上は、毎日平均して10時間、以上座ったり寝転んだりして過ごすことの多い年齢層です。これを続けることで、ちょっとしたことでの転倒や骨折、肥満、心臓病などが多くなり、医療費の負担が年々増加しています。年をとっても健康でいたいなら、意識して動くことを意識して続けることです。動きづらくなってしまったら、今まで楽しみで続けていたことも不自由になります。友人と会うのも町に出かけるのも孫の呼び出しにも簡単に応じられません。そのうち意欲まで低下してきます。まだ間に合います。
活発に動く人は心臓病や脳卒中、糖尿病、がん、うつや認知症のリスクが低いというデータがあります。動き続けること、活発でいる方法はいくつもあります。それは単に運動することだけではありません。
加齢にともない体の各機能が低下するにつれて、身体的な運動能力もゆるやかに低下していく、と言われています。ですから、年をとっても身体的に活動する=動くこと、あるいは活発でいることが重要なのです。
年をとると地域の役員やボランティアの世話役などの就任を求められることが多くなります。社会にかかわり続けるためには健康で動けなくてはなりません。このことはきもちにも良い影響を与えます。
何でも体を動かすことにつながります。軽い散歩やウォーキング、庭で動いたり屈伸の機会の多いガーデニング、レクリエーションの運動まで、様々な活動が体を動かすことにつながります。10分を1単位として、3単位で合計30分を1日。週単位で5日間合計150分をめざしましょう。
買い物や料理といった毎日の家事は、心拍数を上げるほどハードではないので、150分の中には含みません。
適度な有酸素運動は以下のものです。
・早く歩く
・水中エアロビクス
・平坦な土地で自転車に乗る
・ダブルスのテニスをする
・草刈機を押す
150分の目標に加えて、筋肉を使う運動をしましょう。これには以下のものがあります。急に強い動作をすると筋を痛めることがありますので、徐々にウォーミングアップしてから始めてください。
・重量トレーニング
・重い荷物を運ぶ
・きつい庭仕事をする
何ができるかは、本人の状況によりますが、すべてに共通することは、楽しみながら動く、ことです。すでに動くことを心がけているなら、75分間のハードな運動は、150分の適度な運動と同様な効果があることを、もしすでに活動的であるなら、週に75分の精力的な運動は150分の適度な運動と同じくらい効果的だと思われるかもしれません。しかしハードすぎるのは危険です。自分の健康状態を見極めてください。ながら、無理をせずに継続してください。
年をとったからといって、運動を始めるのに遅いということはありません。できることところから徐々に始めて、継続してください。心臓病や脳卒中やその他の病気のリスクを軽減できることでしょう。
一日のうちの座って過ごす時間を減らすように心がけましょう。テレビの前やコンピューターの前に長時間座り続けないことです。同じく長時間、運転し続けたり、座って本を読んだり、しゃべったり、音楽を聴くのを避けるということです。家の中でも良いですから、座ろうとする時間の何分の1かを、立っている時間にまわしてみてください。最近、スタンディングワークという、立って働くという意味のことばが良く聞かれます。腰痛解消に加えて、疲労軽減や作業効率アップの効果があると言われます。このように簡単なことから始めていきましょう。