記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/9
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
蒸し暑い季節だけでなく、革靴や冬場のブーツを脱いだときに自覚することのある「足の臭い」。この足の臭いの原因とは、いったい何なのでしょうか?
人間が汗をかきやすい場所は、脇の下や首回り、顔、手のひら、そして足の裏です。普段そこまで足裏の汗を自覚することはないかもしれませんが、実は足裏にはたくさんの汗腺が密集しており、人によっては1日あたりコップ1杯分の汗をかくともいわれています。
しかし、脇の下などの汗と比べ、足の裏の汗には本来臭いはありません。これは汗腺の種類の違いによるもので、脇の下に多いアポクリン腺では汗とともに脂肪やタンパク質を排出する一方、足裏のエクリン腺の汗は脂肪などがほぼ含まれていないことが関係しています。
それにもかかわらず足が臭くなる原因としては、以下のことが考えられます。
なお、足の臭いの原因成分は「イソ吉草酸」や「イソ吉草酸アルデヒド」と考えられています。これらは皮膚の常在菌によって、皮脂や角質中のロイシンというアミノ酸が分解された結果産出されるもので、甘酸っぱくむせるような臭いを発します。
女性は冬にブーツを履く方も多いですが、このブーツの中の臭いは男性の靴よりも何倍も臭いといわれています。
これはブーツの中の高温多湿な環境が関連しており、ブーツの中の温度はおよそ37〜40℃、湿度は90%にも達するとされます。つまり足が蒸れやすい環境のため、雑菌の餌となる角質が剥がれやすく、臭いの元となる雑菌が繁殖しやすいのです。
また、子供は大人と比べて新陳代謝が活発なため、その分足の汗をかきやすく、臭いが出やすい傾向にあります。特に子供は毎日同じ靴を履きやすいため、3足以上の靴を履き回したり、定期的に靴を洗ったりと対策に努めましょう。
足裏のエクリン腺は、ストレスの影響を受けやすいということがわかっています。緊張したときに手が汗ばんだ経験があるかもしれませんが、その際には実は足裏もかなり汗をかいています。
こういったストレスからくる発汗は「精神性発汗」と呼ばれ、性格的に真面目な人や完璧主義の人に起こりやすいです。汗を大量にかく分、足が蒸れるために臭いが出やすい傾向にあります。
足の臭いは、足裏の汗そのものの臭いというよりも、発汗からくる蒸れで雑菌が増殖したことなどが関連しています。新陳代謝の活発な子供や、ブーツを履く女性、何日も同じ靴を履いている人などは特に臭いが強くなりやすいので、シューケア用品を使ったり、通気性の良い靴をローテーションしたりなどの対策に努めましょう。