記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/7
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
突然、息を吐いたり吸ったりすることがうまくできなくなり、呼吸困難な状態に陥ってしまう過呼吸。この過呼吸の治療をしたい場合は、何科に行けばいいのでしょうか?病院で受けることになる治療法と併せて紹介していきます。
過大なストレスが原因で起こる「過呼吸」は、特に若い女性が発症しやすい症状だとされています。呼吸が早くなったり、息苦しくなったり、ひどくなると手足や唇にしびれがおこったりします。ひどいときには、息苦しさから死への恐怖を感じ、パニックを起こしたり、失神してしまったりすることもあるのです。
ひとまずは、心と体を落ち着けることが最優先で、すぐにおさまるようであれば病院に行かず、様子を見てもいいかもしれません。症状が続いたり、頻発したりするようであれば診察を受けた方がいいでしょう。
一方で、症状が強く出ていたりパニック状態になってしまったりしている場合、心臓や肺、脳などに持病がある場合はすぐに病院へ行くことをおすすめします。その際は、内科、または心療内科や精神科などに相談してください。
過呼吸の症状が出て、病院に行ったとき、一体どんな検査や治療が行われるのでしょうか。これは、過呼吸の発作が起きているときに診察を受けるのか、起きていないときに受けるのかで内容がだいぶ変わってきます。
過呼吸が発生していないときであれば、問診で状況を聞いたり、ほかの病気の可能性を考えて、採血や画像検査などが行われたりするのが一般的です。発作が繰り返されているなら、心療内科などで精神面のケアが行われます。精神的な不安や緊張をやわらげる、漢方薬などが処方されることもあります。また、過呼吸が頻発して危険な状態に陥っているようなら、入院の可能性もあるでしょう。
一方、過呼吸が起こっているときに病院に行った場合は、採血によって血液中の酸素や二酸化炭素の量を確認します。この量が充分足りているか足りていないかが、診断の材料になるからです。ただ、過呼吸だと判断された場合もすぐに入院ということはなく、よっぽど危険な状態でなければ薬の処方などでしばらく様子を見ることがほとんどです。
過呼吸になると、呼吸をしすぎてしまい、血液中の二酸化炭素の濃度が減少している状態になります。そのため、まず呼吸の回数を減らすことが大切です。
呼吸をゆっくりと行うこと、そして吸うのではなく吐く方に意識を向け、時間をかけてゆっくり吐き出します。パニックにならないよう、平常心をとりもどすことが大切です。何かにつかまったり、体勢を楽にしたりして体を緊張させないようにしましょう。
また、近くで過呼吸になってしまった人がいたら、体を支えながらゆっくり呼吸できるようサポートしてあげてください。以前は「ペーパーバック法」といって、ビニール袋や紙袋を口にあて、いったん吐いた息を再度吸うという処置がとられていたこともありました。しかしこの方法では、血液中の二酸化炭素が増えすぎると同時に、酸素が足りなくなってしまうため、現在は危険だと判断されています。
過呼吸になると、血液中の二酸化酸素と酸素のバランスが乱れ、体の各器官に影響を及ぼすことがあります。心臓や肺、脳などに持病がある場合は特に危険なので、病院に行く方がよいでしょう。また、過呼吸の原因は精神的なストレスであることが多いため、体の機能の検査だけでなく、メンタル面のケアを行う必要もあります。