記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/10 記事改定日: 2019/8/22
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「お酒は太る」とよくいいますが、では禁酒をすればダイエット効果は得られるのでしょうか?また、どれくらいの期間禁酒をすれば効果が出てくるのでしょうか?お酒と太ることの関連性も交えながら解説します。
お酒を習慣的に飲む人が禁酒をすると、ダイエット効果が得られるといわれています。その主な理由は、以下の通りです。
摂取したアルコールは、肝臓で「アセトアルデヒド」という成分に分解されます。アセトアルデヒドは有毒成分のため、飲酒中の肝臓はこの解毒を優先するのですが、一方でこの間に糖質を摂取してしまうと、糖から作られるグリコーゲンを肝臓に貯蔵できなくなってしまいます。
このグリコーゲンが肝臓に貯蔵されないと、体はエネルギー不足と判断するため、体は血糖値状態になります。その結果、空腹感が続いて「締めのラーメン」といった、こってりしたものを食べてしまうのです。
しかし、禁酒をすればアルコール分解の必要がない分、グリコーゲンを肝臓に貯蔵できるようになるため、正常に食欲をコントロールできるようになると考えられます。
飲酒中の肝臓はアルコール分解で忙しいため、その分脂肪代謝の動きが鈍くなり、脂肪が体に蓄積されやすくなります。しかし禁酒をすれば、脂肪代謝の動きが正常に戻るようになります。
ビールや日本酒、梅酒、カクテルなどの甘いお酒は糖質量が多いため、お酒を飲みながらごはんも食べてしまうとどうしても太りやすくなります。しかし禁酒すれば食事の糖質量に注意するだけでいいので、ダイエットが成功しやすくなります。
飲酒をすると味覚が鈍感になりやすく、普段よりも味の濃いものを好むようになります。味の濃い食べ物はカロリーが高いものも多いため、結果的に太りやすくなります。
しかし、お酒を飲まなければ、薄味の食べ物でも満足できるようになるため、カロリーカットになります。
効果の出方には個人差があるため、一概にはいえませんが、禁酒をしてダイエット効果が得られるまでには最低1カ月はかかると思ったほうがいいでしょう。
開始から1週間でも禁酒の効果は得られますが、この段階では体重の変化ではなく、どちらかというと「朝スッキリ起きられる」といった体調の変化がメインです。しかし、1カ月ほど経つと、人によっては体重減少などの効果が得られるようになっています。