記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
体調が悪いと嘔吐することは誰にでもありますが、中には胆汁が混じった危険な嘔吐も存在します。今回はその特徴や、嘔吐物の正しい処理方法などについてご紹介していきます。
本来食べたものは胃から十二指腸へ進みますが、嘔吐物はそれが逆流して口から出てしまったものです。体調不良など原因さまざまですが、子供が嘔吐することは珍しくありません。
しかし、嘔吐物の中に緑色の液体が混じっているときは注意が必要です。これは胆汁性嘔吐といい、胆汁が嘔吐物に混じっているサインで、大変危険な兆候です。
嘔吐物には黄色や緑色の消化液の色が混ざることがあるのですが、緑色の液体が混ざっているときには腸閉塞という病気の可能性が考えられますので、すぐに病院へつれて行きましょう。
緑色の胆汁が混ざった嘔吐物が出たとき以外にも、注意したい嘔吐がいくつかあります。
以下のような場合には、救急診療所などを受診しましょう。
また、頭を打ったあとに嘔吐し、意識がぼんやりしていたり、頭を打ったあとに何度も嘔吐していたりしているときは救急車を呼びましょう。頭の中で出血を起こしている可能性がありますので、重篤な状態ではないかきちんと診察や検査を行う必要があります。
嘔吐物の中にウイルスや細菌が大量に含まれている可能性もあります。特にノロウイルスなどの感染症による嘔吐の場合は、嘔吐物からウイルスが飛散し、周囲の人に感染を広げる恐れがあります。
嘔吐物の処理は、下記で紹介する適切な方法で行いましょう。
なお、嘔吐物が乾燥するとウイルスが空気中に飛散して、感染者を増やしてしまうことにつながります。処理に使ったものなども密閉して処理してください。
また、じゅうたんなどの色落ちの可能性があるものは、次亜塩素酸ナトリウムを使用することができませんので、高温のスチームアイロンで1分間加熱し、使用したアイロンを次亜塩素酸ナトリウムで拭きましょう。
次亜塩素酸ナトリウムがない場合には、家庭にある台所用塩素系漂白剤を水で薄めたものでも代用可能です。市販されている台所用塩素系漂白剤の濃度は5~6%ですので、ペットボトルのキャップ2杯の塩素系漂白剤を500mlの水で薄めて、濃度を0.1%にしたものを作りましょう。
嘔吐とひとくちにいっても原因はさまざまで、時には危険な病気が潜んでいることもあります。特に子供は自分の状態をうまく伝えることができない場合もありますので、嘔吐したときには注意深く様子を見ましょう。