記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
排尿痛や頻尿などの症状を引き起こす慢性前立腺炎。この慢性前立腺炎は、ストレスが原因で発症することがあるというのは本当でしょうか?原因や治療法について解説していきます。
慢性前立腺炎はストレスによる病気の1つとして、近年20~40歳代の働き盛りの男性を悩ませることのある疾患です。
慢性前立腺炎の発症は、長時間のデスクワークや長時間の自動車の運転などによる骨盤の血流がうっ滞することが原因とされています。しかし、そのほかにも過労や緊張、精神的ストレスが大きく関係しているとも考えられ、下腹部の痛みや不快感がストレスとなり、それに伴い症状がさらに進行してしまうともいわれており、精神的ストレスを抱えていることによって慢性前立腺炎の発症リスクは高くなるとしています。
慢性前立腺炎になると、男性の肛門と陰嚢の間にある会陰部と恥骨上部へ痛みが生じます。それに加えて頻尿、切迫尿意、排尿困難感など骨盤全面の症状が見られます。会陰部と恥骨上部の痛みや違和感は1日続くことも多いのが特徴で、痛みのよって仕事に支障が出ることもあれば、何となく感じるというあいまいな場合もあります。
なお、症状が進行すると膀胱痛も見られるようになります。その他にも尿漏れ感や性欲の減退、射精時や射精後の痛み、精液に血が混じることがあります。
慢性前立腺炎は症状が改善するまでに数か月単位の時間がかかることが特徴です。
具体的な治療法として、薬物療法、理学療法、骨盤底磁器刺激療法があります。
薬物療法はアセトアミノフェンや非ステロイド系消炎鎮痛剤で治療を行います。近年では神経障害疼痛に用いられるプレガバリンの有用性が証明されているため、こちらを使用することもあります。また、抗菌薬や前立腺のむくみをとる薬、排尿障害の治療に用いるα遮断薬を使うこともあります。
また、抗うつ薬も心因性の痛みだけでなく身体性の痛みにも効果があるとされています。他にも漢方薬が有効とされており、これらの薬を合わせて治療を行います。
理学療法では骨盤のストレッチや骨盤底筋運動を行い骨盤の緊張を和らげます。
骨盤底磁器刺激療法とは磁器刺激装置を用いて治療を行うもので、痛みによって仕事など日常生活に支障が出ているという場合に行われる治療法です。
その他にも生活習慣を見直すための生活指導が行われることもあります。
慢性前立腺炎は、長時間のデスクワークや長時間の自動車の運転などによる骨盤の血流がうっ滞することが原因とされていますが、そのほかにも精神的ストレスが関係しているとされています。特に、慢性前立腺炎の症状である下腹部の痛みがストレスとなり、症状を悪化させてしまう場合もあります。慢性前立腺炎は薬物療法、理学療法、骨盤底磁器刺激療法などさまざまな治療があります。気になる症状があれば医療機関を受診することをおすすめします。