記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/3
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
体調不良などで嘔吐してしまった場合、普段通りの食事をしてもいいのはいつからでしょうか?また、どんな食事をとるのが望ましいのでしょうか?
嘔吐中や直後は、全身が緊張した状態になっており、胃にも負担がかかっています。そのため、吐いた後の1~2時間は食事を控えることをおすすめします。
この時間帯は吐しゃ物のにおいや感触がまた吐き気を誘発することがあるので、口を冷たい水などですすいで、においや感触を消してください。そして、意識的にゆったりと呼吸したり、右を下にして横たわったりして、まずは身体をリラックスさせましょう。軽く目を閉じて、心も体も休めることが大切です。
もし何かを口に入れたいと思ったら、まずは水分からにしましょう。スポーツドリンクやイオン飲料水などを飲むと、ミネラルなども補給できるのでおすすめです。
また、吐しゃ物を処理するときは二次感染を起こさないよう、手袋をしたり、使ったタオルはすぐに捨てたりすることも忘れないでください。
嘔吐した直後の食事は、あまり優先度が高いものではありません。身体を落ち着かせること、そして食べ物より先に水分を補給することが重要となります。
それでも何かを食べ始めるときは、ゼリーや豆腐など、あまりにおいがなくて飲み込みやすいものがおすすめです。においが強いものを食べてしまうと、吐き気が戻ってきてしまうことがあるからです。ヨーグルトやプリン、アイスクリームなど、咀嚼の必要がそこまでなく、口の中で溶けやすいものがいいでしょう。
症状が落ち着いて固形物が食べられるようになったときも、生ものや油っぽいものは避けましょう。軟らかく煮たうどんや、りんごやバナナなどの果物がおすすめです。
嘔吐した後、普段通りの食事に戻すまでにおすすめの、胃にやさしい料理のレシピを紹介いたします。
今回ご紹介するのは、どんな病気のときも頼りになる食事である「おかゆ」です。お米を煮るだけで作れる簡単な料理ではあるものの、いざ初めて作ろうとすると戸惑ってしまうこともあるでしょう。
実はおかゆには大きく2種類あります。炊いたご飯を、その倍の量の水に入れて煮る「入れ粥」と、お米から水の中で炊く「焚き粥」です。この中でも「炊き粥」は、米と水の割合によって呼び方が変わります。水の割合が高ければ高いほど、重湯に近いようなとろとろのおかゆになります。
「焚き粥」の作り方ですが、まずはお米を研いで、適量の水に入れて蓋をし、強火で沸騰させます。沸騰後は底を一度かきまわして弱火にしましょう。後はお湯の対流でお米が自然とまわるので、鍋の蓋を少しずらして、35~45分ほど煮込めば完成します。吹きこぼれないように注意してください。
ほぼ重湯のような状態に近い「三分粥」のときは、お米1に対して水を20の割合、ご飯の状態に近い「全粥」のときは、お米1に対して水を5の割合で入れてください。
ご飯以外も口に入れたいときは、野菜と鶏肉をコンソメスープなどで煮込んだものがおすすめです。野菜は、玉ねぎやキャベツ、にんじんなどが食べやすいでしょう。口に入れやすい大きさに切り、お湯に入れてアクをとってから、コンソメと塩コショウで味をつけてください。
嘔吐した直後は、とにかく身体を落ち着かせることが大切です。1~2時間は食事を控え、食べ物より先に水分補給を優先しましょう。食べ始めるときは、ゼリーや豆腐など、あまりにおいがなくて飲み込みやすいものがおすすめです。その後もすぐに普段通りの食事をするのではなく、おかゆや野菜の煮込みなどを食べるようにしましょう。