記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2024/4/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
海外旅行では感染症対策を徹底したいものですが、旅行先でできる感染症対策にはどのようなことがあるのでしょうか。この記事では、旅行先に滞在中や海外旅行から帰った後の対策や注意点について解説していきます。旅行時の備えとして役立ててください。
海外旅行をする際には、これまで受けた予防接種や、渡航先の感染症の情報を調べて適切な感染予防対策をすることが大切です。
予防接種を受けることが可能な感染症は、なるべく早くに医療機関を受診し、ワクチンの接種について医師に相談しておきましょう。また、国内で予防接種が推奨されている疾患についても、予防対策に不安がある場合は、事前に予防接種を検討する必要があります。
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発展途上地域では、A型肝炎やコレラなどが広く発生している地域もあるため注意が必要です。
以下のことに気をつけましょう。
熱帯・亜熱帯地域ではマラリアやデング熱が広く発生しており、北米ではウエスト(西)ナイル熱が発生しています。
蚊に刺されるのを防ぐために、長袖や長ズボンを着用して、虫除け剤や蚊取り線香などを活用しましょう。
日本国内では昭和33年以降、人及び動物の狂犬病感染事例はないとされていますが、世界中の国々では依然として発生しているため、注意が必要となります。むやみに動物には触れないようにし、もしも動物に咬まれた場合は、すぐに傷口を流水で洗い流した後、現地の医師に診てもらい傷口を消毒してもらいましょう。また、旅行先によっては狂犬病ワクチンの接種をするべきか、医師に相談する必要があります。
食前やトイレ後は必ず手洗いをするようにし、咳やくしゃみで感染する恐れのある病気が流行している場合は、なるべく人ごみを避けるようにしましょう。
HIV感染症・AIDS(後天性免疫不完全症候群)などの性感染症の感染を予防するためにも、不特定の人との性交渉を避け、性交渉をする際はコンドームを適切に使用するようにしましょう。
川・湖・沼などの水辺には寄生虫が潜んでいる可能性があり、寄生虫の中には、裸足で歩いたり水の中に入ると皮膚を食い破り体内に侵入・感染する虫もいます。そのため、淡水で行う遊びやスポーツをする際には注意し、安全確認が不十分な河原や湖畔などの場所は裸足で歩かないようにすることが大切です。
土埃や霧状の水には病原体に汚染されているものがあり、吸入した際に感染する病気もあります。吸い込むことで感染する恐れがある場所は避けるようにしましょう。
また、医療水準の低い地域では、輸血や注射などの医療行為により感染症にかかる恐れがあります。感染症が流行しているときはなるべく患者数の多い病院を避け、注射器などの医療器具を使用する際は、事前に医師に滅菌されている安全な器具であるかを確認することが大切です。衛生管理が整っている医療機関を受診するようにしましょう。
海外旅行中でも体調不良が生じたときや怪我をしたときには、現地の病院を受診することができます。しかし、アメリカをはじめとして、海外の医療機関は保険に加入していないと莫大な治療費を請求されることがあり、集中治療室などでの治療を要した場合には数千万単位の請求を受けることもあります。
海外旅行に行く際には、出国前に保証がしっかりした海外旅行保険に加入しておくようにしましょう。クレジットカードのサービスとして付加されている海外旅行保険や保険料が格安のものは、補償額の制限や健康状態による制限される場合もあるため、補償内容を確認しておくようにしてください。
また、保険によっては提携した病院でしか治療を受けられないこともあるので、まずは問い合わせをした上で受診することをおすすめします。もし持病等で薬を飲んでいる場合は、服薬内容や病状などを英語などでまとめておくようにしましょう。
感染症の中には潜伏期間が長いもの(数日~1週間以上)があるため、帰国後しばらく時間をおいてから体調が急変することがあります。そのような場合は、すぐに医療機関を受診し、担当医に以下を伝えるようにしてください。
海外旅行をする際には、これまで受けた予防接種についてや、下記のサイトで渡航先の感染症の情報を調べて適切な感染予防対策をすることが大切です。また、海外旅行中は、食品・水、蚊・昆虫、動物、性行為、寄生虫、医療行為による感染症などに注意しましょう。帰国後もしばらくは体調の変化に注意し、具合が悪くなったときにはすぐに医療機関を受診しましょう。