記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/27
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
クラミジアが判明した場合は、基本的には性病科などを受診し、医師から薬を処方してもらうのが一般的です。では、病院に行かずに、薬局などで市販薬を手に入れることはできないのでしょうか?
まず、病院で行われる性器クラミジア(以降、クラミジア)の治療では、マクロライド系やニューキノロン系、あるいはテトラサイクリン系の抗生物質が処方されるのが一般的です。具体的な薬の名前は以下の通りです。
インフルエンザやマイコプラズマにも処方されることのある抗生物質です。中でもジスロマック®(アジスロマイシン)は1回の服用で効果が1週間ほど持続するため、単回服用療法に用いられることがあります。
淋病や膀胱炎、皮膚感染症など、さまざまな疾患に抗菌効果を発揮します。
淋菌やマイコプラズマ真菌にも処方されることのある抗生物質です。
こうしたクラミジアの治療薬は病院では処方可能ですが、薬局やドラッグストアでは市販されていません。入手するには、医師の処方箋が必要になります。しかし、現在ではインターネット通販で、個人輸入品のジスロマック®やアジスロマイシンのジェネリック医薬品などが入手可能なことがあります。
病院で処方される抗生物質については、日本の正規ルートを通って販売されているため、厳しい規制のもと製造・管理されています。しかし、インターネット通販で個人輸入しているものは製造ルートが把握できないので、必ず効くと保証できるものではありません。
例えば、ジスロマック®は副作用があまり見られず、比較的安全な薬といわれています(下痢や吐き気、嘔吐などの副作用が出ることもあります)。しかし個人輸入品に関しては、保証がない分重篤な副作用を起こしたり、飲み合わせによっては別の症状が現れる恐れもあります。また、もし体に異変が起こっても販売元に責任を問うことはできないので、全て自己責任ということを念頭に置かなくてはいけません。
またクラミジアは繁殖力が強いので、本来であれば服薬終了の2〜3週間後に病院を受診し、菌が完全に消失しているか確認する必要もあります。こうしたことを考えると、はじめからきちんと病院を受診して薬を処方してもらい、経過を見ていくことが望ましいです。
クラミジアの治療薬は、基本的には医師からの処方箋がないと入手できず、薬局などで市販されているものではありません。インターネット通販では個人輸入したジスロマック®などを販売しているサイトもありますが、製造ルートや安全性がはっきりしないので、体に思わぬ異変が起こる可能性があるリスクもあります。クラミジアが判明したら恥ずかしがらずに病院を受診し、適切な治療を受けていくのが最善の方法です。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。