記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/8
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
クラミジアの治療では抗生物質の投与が行われますが、せっかく治療をしたのにクラミジアを再発してしまうケースも存在します。そこで今回は、再発の原因として考えられるものや対策についてお伝えしていきます。
性器クラミジア(以降、クラミジア)は、専門の医療機関できちんと抗生物質の投与を行っていれば、高い確率で完治します。しかし、以下のような原因があると、完治せずに再発してしまう恐れがあります。
クラミジアの症状がなくなると、自己判断で抗生物質の服用を勝手にやめてしまう患者さんもいますが、症状がなくなったからといって完治したわけではありません。実は体内にはまだ病原菌が潜んでいる可能性があります。
クラミジアの感染が発覚した場合は、高い確率でパートナーも感染しています。つまり、自分だけが治療をしても、クラミジアの病原菌を持つパートナーと性行為をしてしまうことで再び感染することがあります。これを「ピンポン感染」と呼びます。
また、パートナー以外の不特定多数の人との性行為も、再発の要因となります。
抗生物質の服用を途中でやめてしまったり、投薬回数が飛び飛びであったり、あるいは治療中にお酒を飲んでしまったりすると、血液の成分濃度が下がってしまい、「薬物耐性菌」という薬の効かない菌が出現することがあります。
この耐性菌ができてしまうと、今度は薬の種類を変えて再治療が必要になってしまいます。
クラミジアは、繁殖力の強い菌です。再発させずにしっかり完治するには、以下のことに注意する必要があります。
抗生物質が処方されたら、医師に指示された期間はしっかり薬を飲み続けてください。また、飲み忘れがないように注意することも重要です。
クラミジアは投薬治療で完治することがほとんどですが、治癒率は100%ではありません。そのため、投薬終了から2〜3週間後には病院を再度受診し、クラミジアの病原菌が完全に消失したか検査を受ける必要があります。
せっかく薬を飲み切っても「もう治っただろう」という判断で再検査に来ない患者さんもいますが、万が一完治していなかった場合は、感染を周囲に広げてしまう恐れがあります。必ず再検査を受けるようにしてください。
先述のピンポン感染の恐れもあるため、ご自身がクラミジアと診断されたのなら、パートナーにも打ち明けて一緒に検査を受け、必要であれば治療に移行してください。
治療期間中はまだ体内にクラミジアが残っています。この間は性行為は避けてください。また、飲酒は薬の作用に影響する恐れがあるので、摂取は控えましょう。
特にセックスパートナーの多い方は、完治後にクラミジアに再感染してしまう可能性がその分高くなります。不特定多数の人との性行為はなるべく避け、性行為をする際は必ずコンドームを着用し、予防に努めてください。
ご自身では完治したと思っていても、抗生物質の服用が不十分だったりすると、実は体内ではまだ病原菌が潜んでおり、再び症状が現れてしまうことがあります。医師の指示通りきちんと服薬し、日常生活の中でもできる再発予防策を徹底することが大切です。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。