記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/6 記事改定日: 2019/6/28
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
夢遊病は、睡眠中に意識がないまま身体が動いてしまう睡眠障害の一種です。子供に多いイメージですが、大人にも発症リスクがあることをご存知でしょうか?
今回は大人が夢遊病を発症する場合の症状の出方や考えられる原因、治療の必要性について解説していきます。
夢遊病とは、脳が深く眠っているはずのノンレム睡眠中に脳の一部が覚醒するために、意識がないまま身体が動いてしまう病気です。症状としては寝ている最中に歩き回る、冷蔵庫を開けて調理や食事をする、外出して買い物や車の運転をする、などが具体例として挙げられます。
夢遊病は思春期に至る前の子供の他、大人が発症することもある睡眠障害です。子供と大人の夢遊病の症状には、それぞれ以下のような特徴が見られます。
子供の夢遊病が脳の働きが未成熟なのが原因で起こると考えられているのに対し、脳が発達した大人が夢遊病になる原因は、はっきりとわかっていません。
しかし現時点では、以下のような要因が複数絡み合い、睡眠の質やリズムを乱してしまうことが大人の夢遊病の原因ではないかと考えられています。
自然治癒する可能性が低いこと、また車の運転や火気の扱いなど危険な行動をとるリスクも高いことから「大人の夢遊病は積極的に治療すべき」と考えられています。
大人の夢遊病の検査・治療は、睡眠障害を専門に扱うクリニックや睡眠外来のある総合病院などで受けることができます。
睡眠状態を調べる睡眠ポリグラフで病気の程度を調べ夢遊病と診断された場合は、生活指導と投薬で治療をすすめていきます。
前述の通り大人の夢遊病にはストレスや睡眠時の環境・アルコールが関係している可能性が高いので、まずは生活習慣の改善から夢遊病の治癒を目指します。
生活指導では症状がなかなか改善されない、命を落としかねない危険な行動が多い場合は、症状緩和のために以下のような薬を使った投薬治療も並行して行います。
ただし、投薬はあくまで症状の一時的な緩和を目的としたものであり、大人の夢遊病を根本治療するためのものではありません。また薬の使用には副作用のリスクもあるため、自己判断での服薬は非常に危険です。
夢遊病の治療は専門の医療機関で、医師の指示のもと行う必要があると覚えておきましょう。
夢遊病は自分自身で発症に気づかないことも多く、思わぬケガなどをして初めて発症を疑われることも少なくありません。夢遊病では次のような症状や身体の変化が見られますので、当てはまる項目が多い場合はできるだけ早く病院で相談しましょう。
大人の夢遊病には症状に危険が伴いやすく、自然治癒しにくいという特徴があります。ストレスや過剰なアルコール摂取で睡眠リズムが乱れて発症すると考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていません。
大人の夢遊病は子供の夢遊病とは異なり、積極的に治療すべき病気です。気になる症状があるなら、できるだけ早く睡眠障害を専門とする病院に行って、医師の検査・治療を受けてください。