記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
思春期には顔中にニキビができることも珍しくありませんが、ニキビを少しでも良くするためには、どのようなケア方法をとればよいのでしょうか?
今回は思春期の正しいニキビケアについて、乳液の必要性や選び方、洗顔のコツをご紹介していきます。
思春期のニキビ肌のケアに乳液を使うべきかどうかは、その人の肌質によって変わります。
以下に乾燥肌・混合肌・オイリー肌の3つの肌質別に、それぞれの特徴や乳液を使うべきかどうかをまとめてご紹介します。
肌がかさかさしていてニキビがあるという人は、乾燥が原因で肌の状態が悪くなり、ニキビが発生している可能性が高いです。
この場合は顔全体に化粧水を塗って水分を補給し、乳液で閉じ込めて保湿することで、ニキビ肌の改善が期待できます。
頬などはかさついて乾燥しているのに、皮脂の分泌が活発なTゾーン(おでこや鼻)はべたべたしてオイリーな混合肌も、乳液を使って肌の状態を整えると良いでしょう。乳液を塗るときは乾燥した部分とオイリーな部分で量や種類を変えるなどして使い分け、肌の状態が均一になるよう意識してください。
顔全体がべたべたしたオイリー肌の場合は、ますますオイリーになってニキビが悪化することがありますので、必ずしも乳液は使用する必要はないでしょう。
ここからは、思春期ニキビを悪化させないための乳液の選び方を、前述した3つの肌質別にご紹介していきます。ご自身の肌質にあった乳液選びに、役立ててください。
以下の条件を満たす、保湿重視で油分多めの乳液がおすすめです。
以下の条件を満たす、保湿と抗炎症作用のバランスの良い乳液がおすすめです。
この肌質の人は乳液を使用しなくても大丈夫ですが、使用するなら以下の条件を満たすさっぱりとした使用感の乳液がおすすめです。
思春期ニキビができたときに守るべき洗顔のコツは、以下の5つです。
まずは32~35℃くらいのぬるま湯で、やさしく洗顔して顔を濡らします。このとき、顔をごしごしとこすらないように注意してください。
なお、顔を濡らす前に濡れタオルを1分ほどレンジであたためたホットタオルを顔に当てておくと、毛穴が開いて汚れを取り除きやすくなります。
洗顔にはきめ細かいモコモコした泡を使い、手ではなく泡で汚れを落とすという意識で、くるくると円を描くように洗っていきます。このとき、指が触れないよう注意しましょう。
はじめと同じく32~35℃のぬるま湯で、手や指でこすらないように注意しながら、顔にぬるま湯をつける感覚でやさしく泡を洗い流していきます。
このとき、ニキビの原因となる洗顔料の洗い残しがないように注意してください。
洗顔後、きれいになったお肌は洗濯済みの清潔なタオルで水分をふき取りましょう。このときも決して肌をこすらず、タオルでポンポンと押すような感覚を意識してください。
思春期の肌は刺激に弱く、肌の水分・油分のバランスも不安定なため、洗顔料や洗顔による摩擦の刺激ですぐにニキビができてしまいます。
ニキビができたときは肌が敏感になっている証拠ですので、1日3回以上の過度な洗顔や、刺激の強いスクラブ洗顔料などの使用は避けるようにしてくださいね。
思春期ニキビは、成長に伴うホルモンバランスの乱れで肌の水分・油分バランスが崩れ、肌が敏感になって起こります。保湿は肌環境の改善に有効ですが、乳液が必要かどうかはその人の肌質によって大きく変わってくるので、注意が必要です。思春期ニキビができたら刺激しないことを第一に、この記事の内容を参考に肌質にあった乳液を選んで、適切にケアしてください。
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