気になるニキビは腸活で改善するって本当?具体的な方法をご紹介!

2018/10/4 記事改定日: 2021/8/31

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ニキビは腸の調子を整えることで改善するというのは本当なのでしょうか?また、ニキビを治すには具体的にどうすればいいのでしょうか?ここでは、ニキビの原因や腸活との関係性、ニキビの改善方法について解説していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

ニキビの原因に腸の調子が関係するの?

ニキビのおもな原因には、以下が挙げられます。

食生活の乱れ
タンパク質を過剰に摂ったり、野菜のみを食べたりするなどの偏った食生活は、栄養バランスが乱れる原因であり、皮脂のバランスやターンオーバーの乱れの原因となります。
便秘
腸内細菌のバランスが乱れて悪玉菌が増殖すると、アンモニアや硫化水素などの有害物質が作られ、腸から吸収されます。これらの有害物質は、ニキビや肌荒れを引き起こしやすくする原因のひとつです。
睡眠不足
睡眠不足になると、睡眠中に分泌される成長ホルモンの分泌が阻害されるため、肌の再生が正常に行われなくなります。
喫煙
喫煙は毛細血管を収縮させる作用があるため、酸素や栄養の供給、老廃物のスムーズな排泄を阻害してしまいます。
ストレス
ストレスが溜まると、活性酸素という「老化を促す物質」が産生されることにより、免疫力の低下が起こり、ニキビの原因菌の繁殖が促進されます。
また、活性酸素が増えると、肌の主成分であるコラーゲンを合成する際、ビタミンCが多量に消費されるようになります。

ニキビの改善対策 ― 食事、運動、腸活、睡眠など

食事

食事は単独の食品を摂るのではなく、できるだけ多くの種類の食品をバランスよく摂ることが大切です。以下の栄養は不足しやすく、ニキビの改善に役立つので、積極的に摂取することをおすすめします。

βカロテン
モロヘイヤ、カボチャ、ブロッコリー、ニンジン、ニラなどの緑黄色野菜には、βカロテンが豊富に含まれています。βカロテンは高い抗酸化作用があり、体内でビタミンAに変化して肌の再生を促進する効果があります。
ビタミンC
ピーマン、ブロッコリー、大根、オレンジ、キウイなどに豊富に含まれているビタミンCには高い抗酸化作用があり、コラーゲンの生成を助けて皮膚や血管を健康に保つ効果があります。

また、ビタミンCは、ストレスに対抗する作用があるアドレナリンの生成に関係しているため、ストレス対策にも役立ちます。睡眠不足、喫煙、気候の変化などはストレスの原因になるので、心当たりがある人はこれらのストレスの原因を避けつつ、ビタミンCの摂取とあわせて、脳の働きを活性化させて精神を安定させる作用のあるタンパク質、脳活動のエネルギー源となる糖質などを適宜補給するようにしましょう。

ビタミンB1、ビタミンB2
豚肉、ウナギ、たらこ、玄米などに豊富に含まれているビタミンB1や、鶏レバー、ウナギ、納豆、ブロッコリーなどに豊富に含まれているビタミンB2には、皮脂のバランスをコントロールしたり、角化異常や色素沈着を防いだりする効果が期待できます。
食物繊維・乳酸菌
食物繊維や乳酸菌を摂取すると、腸内で善玉菌が増えやすくなります。腸内の善玉菌が増えると腸内環境が整いやすくなることで、排便がスムーズになる、栄養の吸収率が高まる、悪玉菌が産生する有害物質が減少するなどの効果があり、肌をきれいに保つことに役立ちます。

食物繊維を豊富に含む、海藻類(ひじき、昆布など)やキノコ類、乳酸菌やビフィズス菌を豊富に含むヨーグルトや乳酸飲料を積極的に摂取するようにしましょう。

運動

適度な運動をすることは、便秘の改善や睡眠の質の向上に役立ちます。ウォーキング、水泳、腹筋運動、スクワットなど、体に負担をかけない程度に体を動かすようにしましょう。

睡眠

ノンレム睡眠(深い眠り)に入ってからの3時間は、成長ホルモンの分泌が最も活発になる時間とされており、肌の再生にとって重要な時間となります。肌の修復を速めるために早寝早起きを心がけ、睡眠のリズムを整えましょう。

水分補給

十分な量の水分をこまめに補給することは、消化促進や血流改善、細胞の修復力の向上、肌荒れや乾燥の予防効果などに役立ちます。
体格、性別、年齢などにより異なりますが、一般的な成人女性は1日1.5L〜2L程度の水分量を摂取することが望ましいとされていますので、意識して摂取するようにしましょう。

リラックス

リラックスすると副交感神経が優位になり、腸の動きが活発になります。お風呂にゆっくりと浸かったり、入浴後にお腹に円を描くようにマッサージしたり、就寝前にストレッチしたりするなどして、副交感神経の働きを促しましょう。

ニキビを治すためのスキンケア対策

ニキビに悩んでいる人は、皮脂を抑制する作用があるビタミンC誘導体大人ニキビの炎症を抑制する作用があるグリチルリチン酸が配合されている化粧水・美容液を選ぶようにしましょう。また、オイルフリーか、オイルの配合量が少ないものを選ぶことをおすすめします。

なお、アルコール配合のものは、肌への刺激が強く、肌の乾燥を促進するのでニキビ肌には適していません。ニキビ改善のためには、アルコールフリーのものを使うようにしましょう。
ノンコメドジェニックと表記されている製品はニキビができにくい処方で作られているので、選ぶときの参考にしてください。

スキンケアの方法

クレンジング

肌への刺激が強いので、シートタイプ、オイルタイプのクレンジング製品は避けましょう。できるだけは素早く流す(できれば1分以内に)ように心がけてください。

洗顔

洗顔するときは、こすらないで、やさしく洗うことが大切です。洗顔時間が長くなると肌の水分が失われるので、手早く洗うことを意識しましょう。

乾燥肌や敏感肌の人は、朝は石けんを使わず、ぬるま湯で洗顔することをおすすめします。ただし、朝起きたときにテカリが気になる場合は、皮脂の分泌量が多い可能性があるので、刺激少なめの石けんや洗顔料を使い、「よりやさしい力加減」で洗顔することを意識してください。夜はメイクや汚れをきちんと落とす必要があるので、石けんや洗顔料をしっかりと泡立てて洗顔しましょう。

化粧水・美容液

洗顔後は、なるべく早く化粧水・美容液をつけるようにしましょう。化粧水・美容液は、手で少し温め、数回に分けてハンドプレスするようにつけてください。

おわりに:ニキビ改善のため、食事、運動、睡眠などの生活習慣を改善し、スキンケアのやり方も見直そう

ニキビの発生には腸の調子が深く関係しています。そのため、ニキビ改善には食生活、ストレス、睡眠不足、運動不足などを見直して腸内環境を整えることが大切です。また、ノンコメドジェニックの化粧水や美容液を使用する、スキンケアのやり方を見直すことも、ニキビ改善・ニキビ予防に役立ちます。改善、予防のどちらも「継続すること」が大切になるので、毎日のお手入れを根気よく続けていきましょう。

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