記事監修医師
川崎たにぐち皮膚科、院長
陥入爪の手術方法にも比較的簡単といわれるものから複雑なものまで、幅広い種類があります。そこで今回は、陥入爪になったときの手術の方法などをご紹介します。
基本的に陥入爪の治療では、炎症を起こしている皮膚と皮膚に食い込んだ爪を離すことが必要です。自宅でも可能な方法として知られているものにコットンやテーピングによる治療があります。
ただし慢性的な陥入爪の場合、この方法では改善することが難しいため、手術が施されます。
簡単な手術方法としては、爪の先端の皮膚に食い込んでいる部分を切る方法が挙げられます。かかる時間は約5分ほどで、当日から入浴することもできることが多いです。入浴後は自宅で軟膏を塗布してもらいます。手術後1日で痛みが軽減され、爪は数か月で元の長さまで伸びるといわれています。
前項のような簡単な手術では、数か月後に爪が再度生えてきます。ただし爪が伸びてきた段階で再発する場合は、爪を生えなくする手術を行うこともあります。具体的には足の指の根本の2ヶ所に局所麻酔を行い、指の先まで麻酔が効いてくる約15分後に爪を爪切りで甘皮の部分まで切ります。その後、爪の周囲を剥がし、爪母と呼ばれる爪をつくる組織も切って爪を引き抜きます。その後、爪母にフェノールを塗布することでその部分の細胞を破壊します。手術後は包帯を巻いて圧迫し、翌日は包帯を交換します。
また、爪の下にある骨が隆起することで爪の中央部分が盛り上がり、爪の両端が皮膚に陥入していると、爪がU字型に変形することがあります。このような場合、爪や爪母を取り除くだけでは対処しきれないことがあります。これには骨の変形が関係しているため、骨を削らなければいけなくなる場合があります。
局所麻酔の場合は注射をした際に痛みはありますが、手術中にはほとんど痛みを感じないといわれています。また、簡単な手術の場合には手術後に痛みをあまり感じませんが、爪母を取り除く手術や骨を削る手術などの場合には、手術後にも数日間痛みを生じる可能性があります。
手術は、爪を切る程度のものから骨を削る必要があるものまでさまざまです。手術をする必要がある場合には爪の状態などに応じて手術方法が決まるといわれています。医師の説明をよく聞き、納得した上で手術に臨みましょう。
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