記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
尿道からの膿やかゆみ、排尿痛などの症状を引き起こす「淋病」は、クラミジアの次に感染者数の多い性病(性感染症)といわれています。では、この淋病になる原因としては、どんなものがあるのでしょうか?具体的な感染経路についてお伝えしていきます。
淋病(淋菌感染症)とは、性器や喉、直腸などに「淋菌」という病原菌が感染したことによって起こる、性病の一種です。
淋病を発症すると、男性の場合は尿道からの膿やかゆみ、排尿痛などが起こるようになります。一方、女性もおりものの増加や排尿痛などの自覚症状が現れることがありますが、ほとんどが無症状です。ただ、男性も女性も淋病を放置していると、別の疾患を引き起こし不妊の原因となることがあります。
淋病の病原菌である淋菌は、感染者の精液や腟分泌液、感染箇所の粘膜に存在し、これが相手の粘膜に接触することで感染します。主な感染経路としては、「性行為による感染」と「母子感染」があります。
以下のような性行為は、淋菌感染の原因となることがあります。
コンドームなしでの1回の性行為で、淋菌に感染する確率はおよそ20~50%といわれています。
淋病の妊婦が未治療のまま出産をすると、分娩時の産道感染によって母子感染することがあります。そして新生児が淋菌に感染した場合、最も高リスクとされるのが新生児結膜炎です。新生児はウイルスや細菌への抵抗力が弱いため、最悪の場合には失明する恐れがあります。
また新生児結膜炎のほか、敗血症や髄膜炎、関節炎、尿道炎などを引き起こすリスクもあります。
咽頭淋病の患者は口腔内で淋菌を保有していますが、通常のキスや回し飲み程度の接触であれば感染が成立するほどの暴露はないため、感染することはほぼありません。ただし、激しいディープキスをした場合は、感染のリスクがあるともいわれています。
淋菌を含む体液がついた手で、そのまま目をこすったりすると、目に感染して「淋菌性結膜炎」を起こす可能性もまれにあります。発症すると、クリーム状の濃い目やにが大量に出るのが特徴です。重症化すると角膜に穴があいてしまい、失明する危険性があります。
淋病には、感染を予防するワクチンはありません。過去に淋菌に感染し治癒した人でも、抗体は獲得できないために再感染することがあります。
そんな淋病を予防するには、コンドームの装着が有効です。セックスやアナルセックスのときはもちろん、オーラルセックスのときもつけるようにしてください。特に多い感染経路は、風俗店でのオーラルセックスといわれているからです。
ただ先述の通り、激しいディープキスをした場合の感染リスクはゼロではないので、よく知らない人との性的接触は全般的に注意するようにしてください。
淋病の病原菌「淋菌」の主な感染経路は、コンドームなしでの性行為です。オーラルセックスのときにコンドームをつけないという人も多いようですが、特に風俗店を利用した場合などは、性病全般の感染を防ぐためにもコンドームを必ずつけるようにしましょう。