記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/17
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
発熱の原因というと、一般的には風邪などの感染症が思い浮かびますが、疲労が溜まりすぎて発熱することもあるのでしょうか?その場合、どう対処すればいいのでしょうか?
熱が出ると風邪やインフルエンザなどの感染症を思い浮かべることが多いでしょう。しかし何かのウイルスや細菌に感染したわけではなくても、疲労によって発熱する場合があるのです。
精神的、肉体的な疲れは、ストレスというかたちで私たちの身体に影響を与えます。ストレスが過剰になると、体は交感神経を活発にはたらかせて体温を上げるのです。また、ストレスによって睡眠サイクルが乱れ、寝不足の状態が慢性化し、発熱してしまうこともあるでしょう。
ほかに咳が出たり、下痢をしたりということがないのに原因不明の発熱があった場合は、心因性発熱、ストレス性高体温症と呼ばれる、ストレスによる発熱も考えてみてください。
このようなストレス性の熱には、熱の出方に2つのパターンがあります。ひとつめは、39℃近くの高熱が一気に出る場合です。何か強い緊張がもたらされた出来事やトラブルがあったとき、またはこれから緊張するであろうイベントが待っているときなどに、一時的な高熱が出ます。
ふたつめは、37℃前後の微熱が続く場合です。仕事や家庭、介護や対人関係のストレスなど、慢性的なストレスがあるときは微熱状態が続くかもしれません。
細菌・ウイルスが原因の発熱であれば、解熱剤や抗生物質などの薬を飲むことで楽になることも多いでしょう。しかし、疲労から来る発熱の場合、原因が違うため、治し方も異なります。
疲労からくる熱の場合は、まず十分な休息をとることが何より大切です。それがどうしても難しい、またはそれでも症状が改善しない場合は、精神を落ち着ける抗うつ剤や安定剤などを服用することになるでしょう。自分の中で完璧を目指さず、とにかく無理をしないことが大切です。発熱だけだと、怪我などと異なり自分で動こうと思えば動けてしまうこともありますが、なるべく割り切って休むようにしましょう。
また、ゆっくりと入浴したり、気分転換になるような運動をしたり、リラックスできるアロマの香りをかいでみるのもいいかもしれません。香りは、普段さほど気にしない人も多いかもしれませんが、ストレスを和らげたり、心と体をリラックスさせ、質の良い睡眠に導いてくれたりします。リラックスには定番のラベンダーの香りや、リフレッシュにおすすめのグレープフルーツやオレンジなどの柑橘系の香りもおすすめです。
精神的、肉体的な疲れは、ストレスというかたちで私たちの身体に影響を与えます。ストレスが過剰になると、体は交感神経を活発にはたらかせて体温を上げることで発熱する場合があるのです。また、ストレスによって睡眠サイクルが乱れ、寝不足の状態が慢性化することも発熱につながります。その場合は、まず十分な休息をとることが何より大切です。入浴や軽い運動、アロマによるリフレッシュなどを取り入れてみてください。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。