続発性無月経とは―ストレスやダイエットで月経が止まるの?

2018/8/31

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

続発性無月経とはどのような病気なのでしょうか?また、ストレスやダイエットにより月経がこなくなることはあるのでしょうか?続発性無月経について解説していきます。

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無月経ってどんな状態?

日本人女性の初経を迎える年齢の平均は12~13歳で、女性の98%は14歳までに月経を経験するといわれていますが、思春期から初経までに2~3年ほどかかる場合もあるとされています。
無月経には原発性無月経と続発性無月経があり、2つの違いは以下の通りです。

原発性無月経

原発性無月経とは、満18歳になっても初経がない状態のことで、原発性無月経が起こる頻度は0.3~0.4%とされています。考えられる原因としては、染色体異常、腟や子宮の奇形、性器の異常、ホルモン異常などが挙げられます。
16歳以上で乳房発育や陰毛発育が見られるのに、初経がこない場合は検査を行うことがあります。

続発性無月経

続発性無月経とは、月経が定期的に続いていた状態から3ヶ月以上月経がこなくなる状態のことです。一般的に無月経と呼ばれる場合は、続発性無月経を指していることが多いとされています。

ストレスなどで無月経になる?!

正常な生理周期のサイクルは25~38日とされており、それ以上延びる場合は排卵が遅いとされます。続発性無月経の原因は、脳からのホルモン分泌のリズム異常と卵巣の反応不良によるものだとされています。

脳に影響を及ぼすものとして、ストレス、急激なダイエット、激しい運動による体脂肪低下、甲状腺機能異常、脳下垂体腫瘍によるホルモン異常などが考えられます。

また、通常であれば、約1ヶ月間の生理周期のサイクルは、脳にある視床下部と脳下垂体がコントロールしており、視床下部付近にある食欲や睡眠を司る中枢と相互に作用していますが、これらの内分泌系の機能が正常に働かないと、月経がこなくなる原因になることがあります。

続発性無月経はどうすれば治るの?

続発性無月経の治療方法は、原疾患の有無、本人の不安度、年齢、妊娠希望などにより異なります。

  • 脳下垂体に腫瘍が見られる場合は、手術療法や薬物療法を行います。
  • ダイエットやストレスが原因となっている場合は、ダイエットの中止、ストレス要因の回避、カウンセリングやホルモン剤の使用を行います。
  • 薬物療法としては、まずホルモン剤を使用して月経様の出血を起こします。単回の使用で月経周期が整う場合は追加治療は行いません。治療後も月経周期が整わない場合、妊娠をすぐに希望する場合は排卵誘発剤を、希望しない場合は低用量ピルなどを使用します。
  • 神経性食思不振症が原因となっている場合は、長期的な心療内科的サポートを行います。
  • 思春期の場合は、排卵がまだ確立されていないことが多いため、まずは経過観察とします。
  • 40代前半の場合は、更年期の可能性があるため、漢方薬を用いて経過を見るか、それでも月経が来なければ中用量のホルモン剤を用いて月経様の出血を起こしたり、ホルモン補充療法を行います。
  • 性成熟期で精神安定剤や胃腸薬などの薬剤による高プロラクチン血症が原因となっている場合は、薬剤を中止して経過をみます。

おわりに:3ヶ月以上月経がこない場合は注意が必要

続発性無月経とは、月経が定期的に続いていた状態から3ヶ月以上月経がこなくなる状態のことで、ストレス、急激なダイエット、激しい運動による体脂肪低下などにより引き起こされます。続発性無月経の治療方法は、原疾患の有無や患者の状態により異なるため、医師の指示に従い適切な治療を受けましょう。

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