記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/27
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
胃腸の調子が悪くて病院に行くと「胃腸の風邪」と診断されることは多いですよね。
でも、胃腸風邪の原因や症状をきちんと理解している人は、少ないのではないでしょうか。
今回は胃腸風邪の原因や特徴、症状、治療や予防の方法まで、まとめて解説します。
胃腸風邪は別名「感染性胃腸炎」と呼ばれ、ウイルスや細菌・寄生虫などへの感染によって起こる病気です。代表的な病原体としては、以下のようなものが挙げられます。
なお、どの病原体に感染しているかを知るには、病院で詳しい検査を受ける必要があります。
また通常、特定された病原体の名前をとって「ノロウイルス性胃腸炎」などと呼称されます。
症状としては、感染後24~48時間の潜伏期間を経て吐き気・嘔吐・下痢・腹痛などの消化器の不調と発熱が、1~2日間にわたって続くのが特徴です。
病原体に感染し、胃腸風邪を発症する主な原因としては、「経口感染」「接触感染」「免疫力低下による発症」の3つが考えられます。
何らかの理由で、病原体が食べ物や食器など直接口に触れるようなものに付着したために、口から病原体が身体に入って感染するパターンです。
感染者と食器や生活スペース、トイレなどを共有したり、看病の過程で吐しゃ物や便・感染者の体に触れることで、病原体が体内に入ってしまうパターンです。
寝不足や栄養不足から免疫力が低下したことが原因で、健康な状態なら発症しないような病原体に対しても、胃腸風邪を発症してしまうパターンです。
胃腸風邪を治療するには、吐しゃ物や便を通して病原体を体外に出すしかありません。
病原体を排除できる特効薬などもないため、水分と栄養分を十分に摂って体力を回復させながら、病原体がすべて排出されるのを待つ対症療法が基本となります。
病原体の排出を遅らせてしまう下痢止めの服用は逆効果ですので、注意してください。
なお、下痢や嘔吐・腹痛の症状が丸1日以上落ち着かない場合は、内科または消化器科の病院を受診して、医師による診断・治療を受けると良いでしょう。
とくに子供や高齢者は脱水症状を起こしやすく、早急な点滴が必要になることもあるため、自力で水分が摂取できないようなら早めに病院に連れて行くことをおすすめします。
病原体への感染と胃腸風邪の発症を予防するには、以下の対策を徹底して行いましょう。
帰宅後、食事前、そしてトイレと調理の前後には必ず石鹸を十分に泡立てて手洗いし、流水でしっかりと洗い流して、病原体の体内への侵入を防ぐよう徹底してください。
すでに胃腸風邪に感染・発症した人との接触には、十分な注意が必要です。
家庭や職場などで感染者に接するならマスクの着用を徹底し、排泄物に触れる機会があるようなら、必ずマスクと手袋をつけて慎重に作業するようにしてください。
病原体を失活させて感染のリスクを減らすには、食べ物は中心部が85~90℃以上になる状態で最低でも90秒以上、しっかりと加熱することが推奨されています。
また、調理に使うまな板・包丁・食器・ふきんなども使用後すぐに洗うことを徹底し、1日1回を目安に85℃以上の熱湯で1分以上加熱消毒するようにしましょう。
なお、自分が胃腸風邪を発症した場合に周囲への二次感染を防ぐためにできる対策としては、以下のようなものが挙げられます。
胃腸風邪は細菌・ウイルス・寄生虫の感染によって起こる感染性胃腸炎です。感染から24~48時間の潜伏期間を経て発症し、下痢・嘔吐・腹痛・発熱などの症状を引き起こします。治療法としては、病原体が排出されるのを待ちながら水分と栄養を摂る対症療法しかありませんが、その感染・発症は日ごろの習慣を見直すことで予防できます。この記事を参考に胃腸風邪の予防や治療、また感染拡大防止のコツを確認してください。
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