記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/8 記事改定日: 2020/6/9
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
糖尿病の初期症状や、食事や運動・体質が原因で栄養状態が悪くなると起こる低血糖は、めまいや震えのほか、重症化すると意識障害を起こすこともある状態です。
今回は、一般的にはあまり知られていない低血糖の初期症状について、症状を感じたときの対処法や予防法とあわせてご紹介していきます。
低血糖とは、以下のような要因から血中の血糖コントロールがうまくいかなくなり、血糖値が低くなりすぎる状態のことをいいます。
低血糖状態に陥ると、手指の震えと冷え、めまい、ふらつき、目のかすみや顔面蒼白などの症状が出るほか、放っておくと意識を失い昏睡状態に陥ることもあります。
症状がクセになり、何度も発症を繰り返すようになると、日常生活にも支障が出てきます。
発症のタイミングは本人にも予測がつかないため、体質や疾病から低血糖になるリスクの高い人は、日常生活で危険な状態にならないよう十分に注意する必要があります。
前項で述べたような手指の震えや冷え、冷や汗、めまい、ふらつき、顔面蒼白などの症状は、低血糖のなかでも中等度の状態で出てくる症状です。
ここからは、本格的な低血糖症状が出る前に現れる低血糖の初期症状・前兆について、ご紹介していきます。
本格的な低血糖状態に先駆けて、前兆として現れやすいのは強い空腹感と眠気、あくび、胃のむかつきや吐き気などが挙げられます。
これらの初期症状は、1つ1つが単体で現れるのではなく、複合的に現れるのが特徴です。空腹感が強くなっていき、あくびが何度も出て眠気が耐えられないほど強くなってきたら、どんどん血糖値が下がってきている証拠です。
中等度の症状が出て身動きが取れなくなる前に、何らかの対処をしましょう。
低血糖の前兆や初期症状に気づいたら、糖分を口にして安静にし、正常な範囲内まで血糖値を上げてコントロールすれば、大抵は症状を改善できます。
口にする糖分は身体への吸収が早いブドウ糖(5~10g)が望ましいですが、無ければ砂糖(10~20g)の砂糖や、150~200mL程度の清涼飲料水でも構いません。
糖分を摂取した後は、座るか横になって15分ほど安静にして、血糖量の回復を待ちます。
血糖量が回復してくると低血糖の症状も自然と治まってきますが、15分以上安静にしていても症状が良くならないときは、もう一度糖分を摂取してみましょう。
なお、人工甘味料では血糖コントロールができないため、摂取しても効果はありません。
低血糖の回復には、ブドウ糖または砂糖(ショ糖)が必要だと覚えておきましょう。
重症の低血糖の場合には、ブドウ糖や清涼飲料水などを口にすることすらできないケースもあります。次のような症状が現れたときは、救急車を要請しましょう。
低血糖の発症を防ぐには、日ごろから低血糖になりやすい状況に注意して避けるようにし、前兆を感じたときに対処できるよう備えておくようにしましょう。
具体的な予防策は以下にご紹介していますので、確認してください。
繰り返し低血糖の症状に見舞われる場合や、状況を問わず何度も症状が出る場合は、糖尿病を発症している可能性もあります。
症状が出て危険な目に合う前に、一度病院に行って詳しい検査を受けましょう。
低血糖は糖尿病のほか、食事の内容や習慣、その人の体質によっても起こり得ます。前兆として強い空腹感と眠気があり、さらに進行すると冷や汗やめまい、手指の冷えと震えの症状、そして重症化すると意識障害が出るのが特徴です。
発症するシーンによっては命の危機に陥る可能性もある危険な疾患ですので、日ごろから症状が出ないよう備えておく必要があります。この記事を参考に生活と食事の習慣を見直し、予防に努めてくださいね。
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