ダイエットで頭痛が出るのは低血糖かも!?対処法を教えて!

2017/9/4 記事改定日: 2018/9/19
記事改定回数:2回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

「ダイエットを始めてから、頭が痛くなっている気がする」と思ったことはありませんか?ダイエットと頭痛って、一見何の関係もないように思うかもしれませんが、実はダイエットがきっかけで頭痛がひどくなることがあるんです。この記事では、低血糖でなぜ頭痛が起こるのかや、頭痛が起きたときの対処法について解説します。

ダイエット中は頭痛が起こる原因は低血糖!?

ダイエット中に頭痛が起こる一番の原因は、血糖値の低下です。
極端な糖質制限ダイエットや断食ダイエットなどに取り組むと、体に必要な糖質が不足するため、低血糖になることがあります。

低血糖状態になると、体は糖質の代わりに体内の脂肪をエネルギーに変え始めます。脂肪をエネルギーに変え始めるときに「ケトン体」という物質ができるのですが、このとき、ケトン体が増える「ケトーシス状態」になると、アセト酢酸(ケトン体のひとつ)が血液中に増えて体が酸性になり、頭痛や吐き気が起きやすくなるのです。
低血糖の状態が続くと、頭痛だけでなく、震えやめまい、目のかすみ、脱力などの症状が現われる可能性があります。重症になると、意識の低下やけいれんを引き起こすこともあるので、注意が必要です。

低血糖の症状 ― 頭痛以外にはどんな症状が現れる?

極端なダイエットを行うと、低血糖になることがあります。
低血糖では、頭痛の他にも、様々な症状が現れます。まず初期に現れる症状は、強い空腹感や嘔気、上腹部痛、倦怠感などです。また、冷や汗や手の震えなどの症状が見られる場合もあります。このような初期症状が現れた段階で、適切なブドウ糖補給を行えば症状は改善します。しかし、さらに低血糖が進行すると、注意力や集中力の低下など精神に変調を来たす症状が現れ、意識消失やけいれんなどを引き起こすこともあります。思わぬ大けがをすることもあるので、極端なダイエットを控えるのはもちろんのこと、低血糖の初期症状が現れた場合には、速やかジュースや飴などでブドウ糖を補給するようにしましょう。

低血糖以外の頭痛の原因

ダイエット中に頭痛が起こる原因として、低血糖以外にも以下のようなことが考えられます。

貧血(鉄欠乏性貧血)
ダイエット中に極端な食事制限をすると、栄養バランスが崩れてしまうと、貧血(鉄欠乏性貧血)になることがあります。貧血の状態が続くと、赤血球が少なくなって体に必要な酸素を運べなくなってしまうため、頭痛が起こることがあります。
ホルモンバランスや自律神経の乱れ
極端な食事制限をすると、ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減少します。エストロゲンの分泌量が減ると、脳内のセロトニンも減少します。セロトニンが減少すると、血管の収縮をコントロールしたり、痛みを抑えたりする働きが弱くなるため、痛みに敏感になって頭痛が起こりやすくなる可能性があります。

また、ホルモンバランスの乱れは自律神経の乱れも引き起こします。自律神経は、交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで、体の機能をコントロールしています。しかし、交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、血管が急激に拡張して頭痛を引き起こすことがあります。

低血糖で頭痛が起こったときの対処法

ダイエット中に頭痛が出てきたら、低血糖状態を改善することが大切です。チョコレートや飴など、糖分を含むものを食べて糖分を補給しましょう。また、ダイエット中だからといって、食事を抜いたり、糖質を含むもの(ご飯、パン、いも類など)を全く食べない、といったこともしないようにしてください。

そのほか、貧血による頭痛を防ぐために、鉄分を積極的に摂ることも大切です。特に女性の場合、月経(生理)で鉄分が不足しがちなので、意識して摂るようにしましょう。
ちなみに、厚生労働省が推奨する1日あたりの鉄分摂取量は、成人男性で7.5mg、月経のある女性で11mg(月経のない女性は6.5mg)です。
鉄分を含む食品として、牛肉の赤身、レバー、カツオ、イワシ、ほうれん草、ひじきなどがあります。鉄分はたんぱく質やビタミンCと一緒に摂ると吸収しやすくなります。たんぱく質は卵や大豆・大豆製品、乳製品に、ビタミンCは、かんきつ類やイチゴ、キャベツ、サツマイモ、ブロッコリーに多く含まれています。

低血糖を防ぐためには、どうすればいい?

ダイエット中の頭痛を防ぐためには、健康的なダイエットを心がけることが大切です。ダイエット中だからといって極端な食事制限はせず、たんぱく質、脂質、炭水化物をバランスよく食べることを心がけましょう。
また、食事だけでやせようとすると、筋肉が落ちてしまったり、リバウンドしたりする可能性があります。1日20分以上の有酸素運動(ジョギング、ウォーキング、水泳など)とともに、筋肉トレーニングにも取り組んで、基礎代謝を上げていきましょう。

ロキソニン®などの頭痛薬を使っても大丈夫?

低血糖による頭痛が生じた場合には、ロキソニン®などの一般的な頭痛薬を使用しても特に問題はありません。しかし、頭痛薬を使用しても頭痛自体を根本的に治すことはできず、症状を一時的に緩和するに止まります。また、鎮痛薬の中には胃炎や胃潰瘍の原因となるものもありますので、安易な多用は避けるようにしましょう。

また、血糖値を下げる効果のあるSU(スルホニル尿素)剤はロキソニン®と同時に服用すると、作用が強くなって急激な低血糖を引き起こすことがあります。医師から処方された薬を服用している場合は、安易に市販薬を使用せずに必ず病院で相談することをおすすめします。

おわりに:健康的にやせることが大事。必要な栄養素は食事できちんと摂ろう

ダイエットに成功して理想とする体型に近づくことができたとしても、頭痛がひどくなったり、体調が悪くなってしまっては元も子もありません。特に、ダイエット中の頭痛は血糖値の低下が原因で起こることが多いため、ほうっておくと意識障害やけいれんといった重い症状が出てくる恐れがあります。

ダイエットは、栄養バランスのとれた食事と運動で、少しずつ体重を減らしていくほうが、長い目でみて最も着実で、体に負担をかけることなくやせることができます。無理のないダイエットで、健康的にやせましょう。

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