ピロリ菌に感染するとどんな症状に悩まされる?気をつけるべき人は?

2019/1/2

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

特に幼少期に人体に感染すると考えられている細菌の一種「ピロリ菌」によって、引き起こされる症状には、どのようなものがあるのでしょうか。
今回は、ピロリ菌感染によって起こる代表的な症状と感染を疑うべき人の特徴、またピロリ菌感染を確認する検査方法などについて、解説していきます。

ピロリ菌に感染すると出てくる症状は?

ピロリ菌に感染してしばらくの間は、特に自覚症状を感じることはないといわれています。
ただし、ピロリ菌感染から一定の時間が経って体内で菌が増殖してくると、胃部を中心に胃炎胃潰瘍十二指腸潰瘍胃がん・MALTリンパ腫などの病気を引き起こします。

なおピロリ菌感染から上記のような病気を引き起こす確率の目安は、以下の通りです。

  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍…感染者の10~15%程度
  • 胃がん…3~5%程度(ただし、感染したから数十年の経過した場合)

すると自覚症状として、胃部の不快感やむかつき、強い胃痛、吐き気などを感じるようになります。

ピロリ菌に気をつけたほうがいいのはどんな人?

以下の条件に当てはまる要項が多ければ多いほど、ピロリ菌検査を受けた方が良い「ピロリ菌感染の可能性がある人」と考えられます。

  1. ときどき、または慢性的に胃痛を感じることがある
  2. 家族に胃がんの人がいる、または親族に胃がんにかかる人が多い
  3. 日常的に喫煙する習慣がある
  4. 塩辛いものが好きで、よく食べる

胃がんなど胃の疾患の発症には、患者の家族・親族に発症者が多くなる遺伝的な要因が関係していると考えられています。

またピロリ菌の感染経路として「幼少期にピロリ菌に感染した大人から、食べ物の口移しを受ける」ケースが挙げられていることも、家族の病歴が感染に関係している理由です。
塩辛い物を頻繁に食べたり、喫煙することも胃に悪影響を与えて働きを弱めるため、ピロリ菌を活発化させる一因となり得ます。

胃痛を感じている人は、すでにピロリ菌感染により胃炎や胃潰瘍の初期状態にまで症状が進行している可能性もあります。

ピロリ菌は感染してからの期間が長ければ長いほど、胃がんになるリスクも高まります。1~4のうち1つでも当てはまるものがあり、中学生以上の年齢であれば、できるだけ早くピロリ菌検査を受けることが望ましいでしょう。

思い当たるフシがあったら検査を受けよう

前項で述べた条件や、慢性的な胃の不調に心当たりがあるのなら、念のために内科や消化器科の病院を受診し、ピロリ菌検査を受けてみましょう。
病院の設備や方針によって受けられる検査の種類や組み合わせは異なりますが、ピロリ菌の検査として行われるのは、以下のような検査方法です。

胃カメラ

いわゆる胃カメラである内視鏡を口や鼻から胃まで挿入し、胃の様子を観察すると共に粘膜を採取し、以下3ついずれかの検査を行うものです。

迅速ウレアーゼ試験
採取した胃粘膜を試薬にかけ、薬内の成分を分解してアンモニアを生成されるかどうかで、体内のピロリ菌の有無を判定する検査方法。
鏡検法(きょうけんほう)
採取した胃粘膜を特殊な薬剤で染色し、顕微鏡で観察することでピロリ菌を目視で検索する組織学的な検査方法。
培養法
取した胃粘膜をすり潰したうえで1週間程度培養してみて、検体のなかにピロリ菌があるかどうかを確認する検査方法。

胃カメラを使わないピロリ菌検査

体内に胃カメラを挿入することなく、呼気や血液、尿や便からピロリ菌の有無を検査します。

尿素呼気試験
専用の検査薬を服用する前後に呼気を採取し、尿素の状態からピロリ菌の有無を確認する検査方法。
抗体検査
血液や尿を採取し、そのなかにピロリ菌に対する抗体が存在するかを確認することで、ピロリ菌感染の有無を診る検査方法。
糞便抗原測定
便を採取し、そのなかにピロリ菌抗原があるかどうかから、ピロリ菌の感染を確認する検査方法。

おわりに:ピロリ菌に感染すると胃の痛みや不快感が!

ピロリ菌に感染してから一定の年月が経つと、胃部の不快感や強い胃痛、吐き気などの症状が現れます。ピロリ菌には乳幼児期に周囲の大人から感染すると考えられていることから、家族や親族に胃炎や胃がん経験者が多い人ほど、感染している可能性は高いとされます。心当たりのある人はできるだけ早く内科・消化器科の病院に行き、医師と方法を相談しながら、ピロリ菌に感染しているかどうかを検査で確認してください。

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