記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/6 記事改定日: 2019/9/25
記事改定回数:4回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
胃潰瘍と胃がんは初期症状が似ているため、罹りはじめの段階で見分けるのは難しいといわれています。では、どのように違いを判断するのでしょうか?
この記事で胃と胃がんの違いと検査法について解説します。
胃潰瘍と胃がんには、以下のような共通点がみられます。
胃潰瘍と胃がんの大きな違いとして、胃潰瘍の痛みが食事の後に現われる(食事によって胃酸が分泌され粘膜を傷つけるため)のに対し、胃がんの痛みは一般的には食事の時間に関係なく起こることを挙げることができます。
胃がんと胃潰瘍は初期症状に似たところが多いため、一般の人が見分けることは難しいです。したがって、胃潰瘍と胃がんを区別するには検査を受けることが欠かせません。健康診断でも多く行われているように、上部消化管内視鏡(胃カメラ)で胃の内部を直接観察して判断します。病変があれば、その病変を採取して、悪性かどうかを調べるために病理検査を行います。
また、ピロリ菌に感染していないかどうかを確認するために血液検査を行うこともあります。上部消化管内視鏡所見も踏まえて感染が確認された場合、複数の薬を内服することでピロリ菌の除菌を行うことができます。
特に胃がんはかなり進行するまで症状が現われないことも多く、発見が遅れてしまうことも少なくありません。胃の違和感や不調が続くようであれば、すぐに検査や診察を受けることが早期発見のために重要です。
胃潰瘍や胃がんは予防することが可能です。特に、胃潰瘍は日ごろの生活習慣を見直すことで大幅に予防することができ、胃がんも早期発見・早期治療することで高い治癒率を期待できます。予防するために、以下のことを心がけましょう。
胃潰瘍と胃がんのメカニズムは異なります。胃潰瘍は胃酸によって胃の粘膜や胃壁が傷ついていきますが、胃がんは胃壁の細胞ががん細胞となって増えることで胃壁そのものに浸潤(広がっていくこと)していきます。よって、必ずしも「胃潰瘍が悪化すると胃がんになる」訳ではりません。
ただし、胃潰瘍と胃がんの共通の背景因子としてピロリ菌の感染があるため、胃潰瘍を発症した方にはピロリ菌が感染している可能性が高く、ピロリ菌が胃がんのリスク因子となるため注意が必要です。病院や保健機関などで、定期的に検査を受けることで対処していきましょう。
特に、発症率が高まる40代以上の方は、定期的に健康診断や人間ドックといった検査を受けることをおすすめします。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。
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