記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/3 記事改定日: 2018/9/18
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
糖尿病の人にとって、血糖値が異常に下がる「低血糖」は昏睡や異常行動などのとても危険な症状を引き起こす原因になります。この記事では、低血糖症についてまとめました。
緊急時対応と糖質カットダイエットの注意点についてもまとめているので、参考にしてください。
頭がふらふらするのは低血糖の症状として現れている可能性があります。また、低血糖の初期の兆候として、震え、不安、発汗、いら立ち、倦怠感、心拍数の急速な上昇などがあるので注意しましょう。
以下に、低血糖症の兆候を挙げるので、いざというときの参考にしてください。
低血糖とは、血液値が70mg/dl以下になることであり、糖尿病の人によくみられる状態です。ただし低血糖の症状が見られる場合は、これ以上の数値でも低血糖と診断させることもあります。
血糖値が70mg/dl以下になると交感神経症状が現れ、さらに50mg/dLまで低下してしまうと中枢神経症状と呼ばれる「脳のエネルギー不足」の状態に陥ります。
中枢神経症状には、頭痛や目のかすみ、集中力の低下などがあり、さらに血糖値が低下してしまうと、昏睡や痙攣、異常行動などの深刻な状態に陥ってしまう可能性もあります。
低血糖症を引き起こす主な原因は下記の通りです。
これらの要因が単独で引き起こすこともあれば、組み合わさって引き起こすこともあります。また、悪性腫瘍、副腎障害、胃炎、セリアック病などが原因になることもあるので注意が必要です。
低血糖症を治療するために、糖尿病患者は、フルーツジュースや、砂糖が入った清涼飲料(ソーダなど)、ブドウ糖の錠剤やゼリーなどを摂って、すみやかに糖分を経口摂取する必要があります。αグルコシダーゼ阻害薬を使っている場合は、砂糖は吸収されにくいため、純粋なブドウ糖を摂取することが重要です。
低血糖はいつ起こるかわからないので、ブドウ糖は常に持参するようにしておくようにしてください。子供が糖尿病を罹っている場合は、学校の先生など、子どもが関わりを持つ大人にも伝えておきましょう。
もし、低血糖状態の人が自分でブドウ糖が飲み込めない状態になっているときは、無理に飲ませようとすると喉に詰まらせて窒息してしまう危険性があります。糖分を水で溶かして唇と歯茎の間にしみこませて、すぐに救急車を呼んでください。
極端に糖質を制限したダイエットを続けていると、体内の糖分が不足したり、少量の糖質を口にしただけでも過剰にインスリンが分泌されて低血糖症状を引き起こすことがあります。
低血糖は重度な場合、意識障害や痙攣発作などを引き起こすこともあり、思わぬ転倒などによってけがをすることも少なくありません。
冷や汗や震え、強い空腹感や疲労感などの低血糖症状が出た場合は、速やかに糖分の多いジュースや飴などを口にして血糖値を上げるようにしましょう。また、低血糖を起こさないためにも、過剰な糖質制限は避け、バランスよい食事と運動を行うことでダイエットを試みるようにしましょう。
糖尿病の人は、低血糖になって意識がなくなり昏睡状態に陥ってしまう場合があります。低血糖は予防することが一番重要ですが、万が一に備えてブドウ糖を持ち歩くようにしましょう。また、低血糖の人を見つけたら、この記事を参考にして対処するようにしてください。
なお、低血糖を避けるためにも、極端な糖質カットダイエットは止めましょう。
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