記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/21
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
自分で心拍数を測る心拍計といえば、ジムなどの運動施設でみられる耳たぶに装着するクリップ型のもの、あるいはグリップを握る棒状型のものを思い浮かべる人も多いかもしれません。
しかし、最近ではウェアラブル活動量計と呼ばれる、身につけたままでも運動ができる腕時計型が一気に普及しつつあります。ここでは、これらの心拍計を使って心拍数を測るメリットや心拍数の目安などについて、詳しく解説していきます。
心拍数を測る人のもっとも大きい目的は、適切な運動強度(心拍数の度合い)を知ることにあるかもしれません。運動をすると心拍数が上がることは皆さんもご存知かと思いますが、この上昇の程度は人によって、環境によっても異なります。また、強度が強ければ強いほど体に良い、ということでもありません。効果的な運動をするためには、運動強度が低すぎても高すぎてもいけないのです。
そのため、身につけたままで運動ができる、腕時計型のウェアラブル活動量計などを使って運動中の自分の心拍数を知ることは、トレーニング効率を上げるために、大変メリットのあることです。また、効果的な運動強度を知るだけでなく安全面においても、その運動が過剰でないかを見極める上で、非常に重要な役割を果たすことでしょう。
それでは、運動以外の場面を含めて、心拍数を測るメリットに、いったいどのようなものがあるのか、以下でまとめていきます。
心拍計を持っていない、あるいは効果で購入できないという人でも簡単に心拍数を知ることができます。それは、脈のチェックです。手首の親指側の骨とシワと筋に囲まれた動脈部分を探り、自分の脈に触れてみましょう。以下、そのやり方とポイントです。
安静時の心拍数は、体力のある人、運動をしている人ほど少ないという傾向があります。これは、心臓が丈夫だと、一度に体に送り出す血液の量が多くなることに由来します。日頃から運動をしている人は、この安静時の心拍数の変化で、自分の心臓の鍛えられ具合を感じることができるので、楽しみの一つになるかもしれません。
また、個人によって数値が変わるため、普段から計測して平均値を割り出しておくと良いでしょう。体調不良や疲労、あるいは時差ぼけなどがあると、寝起きの心拍数が高くなることがあります。もし、いつもより5以上高いようであれば、その日の体調管理をしっかり心がけるようにしてください。
ちなみに安静時の心拍数と平均値は、体力不足や体調不良の人で1分間に81拍以上、一般的な人で60〜80拍、アスリートレベルで〜59拍となります。しかし、これにもさまざまな見方があるので、1分間に約45〜85拍程度であれば、正常の範囲内と考えておくようにしましょう。
運動中の心拍数の変化で、運動強度を把握することができます。もっとも健康に効果的な心拍数は最大心拍数の60〜70%の範囲内といわれていますが、最大心拍数は年齢によって異なります。そこで、最大心拍数と安静時心拍数をもとに目標心拍数(目標とする運動強度)を設定するカルボーネン法と呼ばれる計算法があります。
カルボーネン法の計算式は、以下の通りです。
目標心拍数(拍/分)=(220-年齢(歳)-安静時心拍数(拍/分))×目標運動強度(%)+安静時心拍数(拍/分)
たとえば、 1分間の安静時心拍数が60拍の40歳の人の60%運動強度の心拍数を計算すると、最大心拍数の出し方は220-年齢で計算できるので、 220-40=180 となり、目標心拍数は、(180-60)×0.6+60=132 となるといった具合です。
最近では、多くのウェアラブル活動量計が発売されており、それだけ自分の心拍数に注目する人が増えているということがわかります。しかし、その数値を何のために知るのか、目的をはっきりと持つことがポイントです。自分の目的を明確にすることで、どんな心拍計を購入するかもはっきりするでしょう。ぜひ、目的に見合った心拍計、あるいは計測法で自分の心拍数を把握して、より健康的な毎日を送ってくださいね。
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