生活習慣病はさまざまな症状を引き起こす手強い病気です。原因をたどると食生活に行き着くことが多く、症状の改善や予防には食事の見直しが欠かせません。どのようなことに気をつけて食事を摂るといいか、おすすめの方法をこの記事で紹介します。
          
         
                  
          生活習慣病の改善に、食事の見直しが欠かせない理由は!
「生活習慣病」の原因は、偏った食生活、運動不足、過労・ストレス、過度の飲酒、喫煙といった生活習慣にあるといわれています。特に影響が大きいのが乱れた食生活です。つまり、食生活を健康的なものに見なおすことができれば、予防や改善が期待できるのです。
- 食生活がまねく生活習慣病
 
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、肥満、循環器疾患(先天性を除く)、大腸がん、歯周病、など
 
- 食事療法で期待できる効果
 
- 血圧や血糖を正常に保つ、血中脂質の改善、肥満の解消、など
 
生活習慣病で食事を改善する際に気をつけることは?
食事療法のポイントは「摂取エネルギー量、栄養バランス、飲酒量」にあります。
適正な摂取エネルギー量
年齢や性別、一日の身体活動レベル(運動量が多ければレベルが高い)などによって、必要とされる摂取エネルギー量は変動します。
推定エネルギー必要量
身体活動レベルを三段階に分けて算出しています。(厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会報告書」)。
- 30~49歳の男性
 
- 
- レベルが高い 3050kcal
 
- レベルが普通 2650kcal
 
- レベルが低い 2300kcal
 
 
- 30~49歳の女性
 
- 
- レベルが高い 2300kcal
 
- レベルが普通 2000kcal
 
- レベルが低い 1750kcal
 
 
栄養バランスのいい食事
栄養の偏りと病気は大きく関係しています。以下では、病気に対してどのような栄養の摂り方をするのがよいか例を紹介します。
- 高血圧
 
- 塩分・脂肪分・コレステロールを減らす。食物繊維を多く摂る。飲酒をし過ぎない。
 
- 糖尿病
 
- 食物繊維を多く摂る。飲酒をし過ぎない。
 
- 脂質異常症
 
- 脂肪分・コレステロールを減らす。食物繊維を多く摂る。飲酒をし過ぎない。
 
- 動脈硬化症
 
- 塩分・脂肪分・コレステロールを減らす。
 
一日の飲酒量
飲酒量が多いと高血圧や脳出血、中性脂肪の増加がみられます。アルコールはカロリーが高く、肥満や糖尿病の原因にもなります。アルコール量は多くても以下を参考にして一日25gまでに抑えましょう。
- ビール(中ビン)1本
 
- 日本酒1合
 
- ウイスキーシングル水割り2杯
 
生活習慣病の改善におススメのレシピをご紹介!
「エネルギー・塩分・脂肪分」の理想的な摂取量を守ることができる3つのレシピを紹介します。
低エネルギー「おからつくね」
材料(2人分)
- ☆鶏ひき肉 100g
 
- ☆おから 50g
 
- ☆塩こしょう 少々
 
- ☆酒 大さじ1
 
- ごま油 大さじ1/2
 
- なす 1本
 
- 玉ねぎ 1/4
 
- パプリカ(大) 1/2
 
- ★黒酢 大さじ2
 
- ★しょうゆ 大さじ1
 
- ★砂糖 小さじ1/2
 
- ★鶏ガラスープ(顆粒) 小さじ1/2
 
- ★水 100cc
 
- ★かたくり粉 小さじ1
 
作り方
- 一口大に切った野菜を耐熱ボウルに入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジで加熱する(600Wで2分半)。
 
- おからつくねを作る。☆の材料をよく混ぜ合わせ、8~10等分にして形を整える。フライパンにごま油を熱し、焼く。
 
- 2に1を加え、合わせ調味料の★をかき混ぜながら加える。全体に火が通り、とろみがつくまで煮たら完成。
 
減塩「トマト味のロール白菜」
材料(2人分)
- 市販の生ハンバーグまたはハンバーグのたね 2個
 
- 白菜 大きめの葉4枚
 
- ベーコン 30g
 
- ☆食塩無添加野菜ミックストマトジュース 200ml
 
- ☆水 150cc
 
- ☆顆粒コンソメ 小さじ2
 
- ☆砂糖 小さじ1
 
作り方
- ハンバーグ1個を半分に切り、丸める。
 
- 白菜は葉と軸に分け、軸を1cm幅に切る。葉を水でぬらし耐熱皿にのせる。ふんわりとラップをかけて電子レンジで加熱する(500Wで2~3分)。
 
- 粗熱をとった2に、1をのせる。ロールキャベツのようにしっかりと包み、巻き終わりを下にして鍋に並べる。
 
- 3の鍋にベーコン、白菜の軸、混ぜ合わせた☆を入れる。落とし蓋をして15~20分ほど煮たら出来上がり。
 
脂質を抑える「鮭のクリーム煮」
材料(2人分)
- 生鮭 2切れ
 
- 塩こしょう 少々
 
- 小麦粉 大さじ1
 
- オリーブ油 大さじ1
 
- 玉ねぎ 1/4個
 
- かぶ 100g(中1個)
 
- かぶの葉 60g
 
- 豆乳 100cc
 
- 水 100cc
 
- 昆布茶 小さじ1
 
- 白みそ 大さじ2
 
- かたくり粉 小さじ1
 
作り方
- 生鮭を食べやすい大きさに切って塩をふり、10分ほど置く。生鮭の水気をふき取ったら、こしょうをふり、小麦粉を薄くまぶす。
 
- 玉ねぎは薄切り、かぶは皮つきのままくし形切りにする。かぶの葉は食べやすい長さに切る。
 
- フライパンでオリーブ油を熱し、1を焼く。
 
- 3に、かぶの葉以外の野菜、水、昆布茶を加え、蓋をして煮る。
 
- かぶが煮えたら、かぶの葉、豆乳、白みそを加える。倍量の水で溶いたかたくり粉をまわし入れてとろみをつけて完成。
 
たまには外食したい…そんなときはどうすればいい?
外食するときにはメニュー選びと食べ方に気をつけてください。メニューに栄養成分表示があるなら「カロリー、脂質、塩分」の量をチェックしましょう。
外食のポイント
- 「主食、主菜、副菜」が揃った定食がおススメ
 
- メインは肉より魚。揚げ物は控えます
 
- 一口につき20~30回は噛みましょう
 
- ラーメンやうどんの汁は飲み干さない
 
- 食事の量は腹八分目。食べ過ぎは禁物
 
おわりに:エネルギー・塩分・脂質の摂取量がポイントです
食事制限はつらいイメージを持たれがちですが、ポイントを絞ればおいしい食事療法は可能です。健康的な体を目指して、まずは普段の食生活を見直すところから始めましょう。
          
                      
              
              
              
              
            
                              
            
関連記事