生活習慣病健診ってどんな検査を受けるの?健診を受けられるのは?

2018/11/21

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

食事や運動など、日ごろの生活の習慣が影響して発症するとされる「生活習慣病」。
代表的なものでは、高血圧や高脂血症、糖尿病などが知られていますよね。
今回は、そんな生活習慣病の有無を検査する生活習慣病健診について、その内容や対象となる人の条件などを解説していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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生活習慣病健診ってどんなもの?

生活習慣病健診とは、年に一度、主に協会けんぽが運営する健康保険に加入する本人やその被扶養者が、運営機関から一部費用の援助を受けて、生活習慣病についての健診を受けられる制度です。

1人でも多くの国民が正しい知識を持って自身の健康状態を把握し、生活習慣病を予防・早期発見してくれることを目的に実施されています。

制度を利用するには、年齢などの一定条件を満たす必要はありますが、代表的な生活習慣病の有無と健康状態がわかる、全般的な検査を受けられるのが特徴です。なお、国に負担してもらえる健診費用の具体的な金額は、健診を受ける人の年齢や、被保険者本人であるかどうかによって変わる場合があります。

生活習慣病健診の対象者は?

以下に、生活習慣病健診を受ける資格のある対象者の具体例をいくつかご紹介します。

  • 平成30年4月1日現在の年齢が、35~74歳までの被保険者本人(協会けんぽ/船員保険)
  • 平成30年4月1日現在の年齢が、40~74歳までの被扶養者(船員保険)

なお、上記はいずれもいわゆる社会保険にあたる「協会けんぽ(全国保険協会)」や「船員保険(全国健康保険協会)」加入者を対象とした条件になります。

このため国民健康保険加入者はこの制度の対象にはなりませんが、一般的な保険適応の負担額を支払えば、医療機関で健診を受けること自体は可能です。
また社会保険加入者であっても、受診者が被保険者本人・被保険者・配偶者のいずれにあたるかによって、生活習慣病健診を受けるときの自己負担額が変わる場合があります。

自分が制度を利用できる対象者に当てはまっているかどうか、また被保険者・被扶養者・配偶者のいずれにあたるのか、事前に確認しておきましょう。

生活習慣病ってどんな検査内容があるの?

生活習慣病健診の基本的な検査項目は、以下の通りです。

基本的な検査内容

問診と身体計測
医師による体調や生活習慣に関する問診、身長・体重・腹囲・BMI値、また視力・色覚・聴力・握力などの計測
尿検査
当日に採取した尿に糖・蛋白・血液が混じっていないかどうかから、腎臓や尿道の検査
便を採取しての検査
便への鮮血の有無やその色合いから、胃腸など消化器官の出血の有無や状態を検査
循環器関係の検査
血圧、心電図、肺活量などから、心臓や血管・血液、肺周辺の状態を検査
血液検査
血液を採取し、血糖値やコレステロール値、白血球や赤血球、ヘモグロビン地などをチェックして肝機能低下や通風、糖尿病発症の有無を検査
胸部/胃部レントゲン
胸部レントゲンでは肺や気管支の状態を、胃部レントゲンでは食道や胃・十二指腸を検査

また、上記の基本的な検査項目に加えて、本人の希望や医師が必要と判断した場合には、以下の検査が追加で行われる場合があります。

医師が必要と指示した場合に追加される検査内容

  • 糖尿病による眼底出血の有無を調べる、眼底検査

本人の希望があれば追加できる検査内容

  • 触診、エコー、マンモグラフィなどを使った乳がん検診
  • 問診、血営検査、細胞採取を伴う子宮がん/子宮頸がん検診

おわりに:生活習慣病健診の対象者なら、ぜひ申し込みを!

生活習慣病健診は、保険運営団体からの費用援助を受けて一般的な健康診断の内容を一式受けられる、オトクな制度です。費用援助を受けられる対象者は限られていますが、1年に1回受けておくだけで自分の健康状態や注意点を知る十分なきっかけになります。もし、あなたが制度利用者としての条件を満たしているなら、ぜひ利用してください。生活習慣病健診について詳しく知りたい方は、勤め先または加入する保険の運営団体に問い合わせてみましょう。

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