記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/4
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「生活習慣病」とはよく聞くものの、具体的にどんな病気が生活習慣病にあたるのでしょうか。今回は生活習慣病の種類や、治療よりも予防が大切なワケなどをご紹介していきます。
生活習慣病は、厚生労働省によって「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義されています。そして、日本人の三大死因(がん・脳卒中・心臓病)などをはじめとする数々の疾患に深くかかわっていることが明らかになっているのです。そのため、現在では生活習慣を改めることで、重大な病気の発症を防ぐことがとても大切だと考えられています。
生活習慣病にあてはまる疾患は、実にさまざまです。
たとえば、食習慣や運動習慣に関連する生活習慣病は、成人型の糖尿病・肥満・高脂血症・高尿酸血症、さらには大腸がんや歯周病なども挙げられます。また、喫煙習慣による肺気腫・慢性気管支炎・肺扁平上皮癌や、飲酒習慣にかかわるアルコール性肺疾患なども生活習慣病の一種です。
そして、この中でも特に注目を集めているのが、肥満・高血圧・高脂血症・糖尿病です。注目されている理由としては、これらの生活習慣病の患者数がとても多いこと、そして、動脈硬化症の原因となりえることが挙げられるでしょう。動脈硬化症とは、動脈の内壁が硬くなった状態のことで、心筋梗塞や脳梗塞といった、命にかかわる重篤な病気へとつながります
また、最近では“メタボ”の通称で知られる、メタボリックシンドロームも代表的な生活習慣病だといえるでしょう。メタボリックシンドロームかどうかは、ウエストの周囲や血圧、中性脂肪やコレステロール値など、複数の項目から判断されます。該当する人は動脈硬化のリスクが高いため、ただちに生活習慣の改善が必要です。
「生活習慣病」は、健康を増進し発病を防ぐ「一次予防」という段階に着目した、比較的新しい考え方です。従来では、病気を早くに発見して早く治療を始める「二次予防」が重要視されてきましたが、それよりも一つ前の段階から病気を防ぐことを目的としています。
生活習慣を改善するために、まず大切なのは食事です。主食・主菜・副菜・汁物などをなるべくそろえ、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよくとるようにしましょう。その際は、食物繊維やカルシウムをしっかり摂ること、反対に糖分や塩分、動物性脂肪を摂りすぎないことも、あわせて心掛けたいポイントです。
食生活以外では、運動、喫煙、減酒、十分な睡眠なども重要です。特に、定期的な運動を行うことは、生活習慣病の予防対策としてはもちろん、ストレスを発散する効果もあります。
たとえば18~64歳の人の場合、「息が弾み汗をかく程度の運動を毎週60分行う」ことが基準として挙げられています。きつい運動を短期間やるのではなく、少し軽めの運動を定期的に続けていくことを心がけましょう。
生活習慣病では、従来のような病気の早期発見・早期治療よりも、糖尿病などの病気になる前に予防することが重要となります。食生活や運動習慣をはじめとする日々の生活の仕方を変えることで、重篤な病気につながる原因を作らないことが大切です。
この記事の続きはこちら