記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
健康診断などで腫瘍を指摘されると、不安になりますよね。
特に、胆嚢(たんのう)など、働きや位置がよくわからない臓器に腫瘍がみつかった場合は、再検査の方法も含めて、不安に感じる要素が多くなるでしょう。
今回は、胆嚢に腫瘍が見つかった場合のがんの可能性や症状について、解説します。
肝臓で分泌された消化液を、一時的に濃縮・貯蔵しておく胆嚢や胆管にできる腫瘍は、超音波検査によって発見されることが多いです。
ただし、超音波検査でみつかる胆嚢・胆管の腫瘍には、悪性腫瘍であるがんの他に腺腫(せんしゅ)やポリープといった、良性の腫瘍も含まれています。
このため、超音波検査で腫瘍を指摘されたからといって、必ずしも胆嚢や胆管にがんができているとは限りません。
胆嚢や胆管にできた腫瘍ががんであるかどうかは、さらに詳しい検査をしなければ、判断できないのです。
胆嚢に見つかった腫瘍が良性か、または悪性のがんなのかを調べるには、血液検査と画像検査を行うのが一般的です。
採取した血液を検査にかけ、まずは「血清ビリルビン」や「アルカリフォスファターゼ」「黄疸」の値が異常に高くなっていないかを調べます。
これらの値が異常に高くなっている場合は、肥大化したがん細胞が胆管を圧迫している可能性があり、腫瘍が悪性である可能性が疑われます。
また、血液検査で腫瘍マーカーの数値が高い値になっている場合は、50~80%の確率で胆嚢がんを発症していると考えられています。
血液検査とあわせて、超音波検査・MRI・CTによる、胆嚢への画像撮影が行われます。
特に、CTやMRIは超音波検査や血液検査で何らかの異常がみつかった場合や、超音波ではとらえきれない位置にある胆嚢の異常を発見するのに、とても効果的です。
なお、さらに詳しい画像検査が必要と判断された場合は、十二指腸の胆道から胆管へ胆嚢方面へ内視鏡を挿入し、胆道・胆管を撮影する手法をとることもあります。
上記の内、順序としては超音波検査で異常が見つかった場合に血液検査を行い、悪性腫瘍が疑われる結果が出た場合には、さらに詳しい画像検査が実施されるというイメージです。
胆嚢の腫瘍が悪性のがんであっても、初期段階では自覚症状はありません。
しかし病状が進行してくると、以下のような自覚症状を伴うようになります。
胆嚢の腫瘍が指摘されるのと同時期に、上記のような症状を自覚するようなら、胆のうがんになっている可能性があります。速やかに病院で検査・治療を受けましょう。
健診などの超音波検査で腫瘍がみつかっても、良性の腺腫やポリープである可能性もあります。悪性腫瘍・がんかどうかは、血液検査やCT・MRIまで使った詳しい検査で調べてみなければ、判断できないのです。また仮に胆嚢がんを発症していても、ある程度病状が進行しないと自覚できるような症状は現れません。早期に発見して適切な治療を介するためにも、検診で胆嚢の腫瘍を指摘されたら、できるだけ早く精密検査を受けてください。
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