記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
上腹部の痛みやおなかの気持ち悪さ、食欲が沸かないなどの症状を引き起こす胃炎。その原因は暴飲暴食だと思われがちですが、食べすぎや飲みすぎ以外の理由からも、胃炎を発症する可能性はあります。今回は胃炎の原因について、代表的な症状や治療法、他の病気の可能性とともに解説します。
胃炎とは胃の内側にある粘膜部分が炎症を起こす病気で、以下のような症状を引き起こすことで知られています。
症状はその人の体質や病状の進行度合によっても異なりますが、放っておくと症状が慢性化し、胃のあたりに常に痛みや不快感を持つようになります。
胃炎が起こる原因は人によってさまざまですが、大きく「日常的な習慣によるもの」と「ストレスによるもの」の2種類に分けることができます。以下に、胃炎の原因となり得るものを「日常的な習慣によるもの」と「ストレスによるもの」の2つのカテゴリごとにご紹介していきます。
上記のうち、日常的な習慣的な原因の胃炎は物理的に胃がダメージを受けることで起こり、ストレスによる胃炎は心理的ダメージが胃にあらわれることで起こります。
胃腸の働きは、本来は自律神経のうちリラックスした状態を司る副交感神経が優位になったときに、活発になる仕組みになっています。しかし過度なストレスがかかる状態が続くと、緊張状態を司る交感神経が常に優位な状態となり、胃酸の分泌がうまくいかなくなります。すると過度に胃酸が分泌され、自律神経の働きで胃粘膜を傷つけてしまうといわけです。
胃炎は日々の習慣とストレス、主に2つの原因から発症することがわかりましたが、胃炎のような症状が出ていても、その裏に別の病気が潜んでいるケースもあります。
胃炎のような症状が現れる病気としては、以下のようなものが挙げられます。
上腹部への痛みや不快感、吐き気、嘔吐、食欲不振の他にみぞおちや右上腹部の痛み、高熱、背中や肩の痛み、胸への激痛や締め付けがあるなら、上記いずれかの病気かもしれません。そのような場合は放置せず、病院で胃炎の可能性も含めて医師に診てもらいましょう。
食べすぎや飲みすぎ、刺激物の摂りすぎなど、物理的・習慣的な原因で胃炎になったと考えられるときは、回復するまで胃への負担を減らしてあげましょう。具体的には、薄味の温かい野菜スープやおかゆ、雑炊、うどんなど、胃に負担がかかりにくい食事を摂るようにします。あわせて、刺激物を摂る回数を減らすのも胃炎の予防に効果的です。
一方、ストレスによる自律神経の不調が原因で起きている胃炎には、しっかりと心身を休め、ストレスを溜めないようにするのが最も効果的な治療法です。可能な限りストレスの根源となるものから距離を置きましょう。さらに、1日8時間程度の睡眠をとったり、ストレスを溜めないよう気持ちを切り替えるコツや、自分なりのストレス解消法を身に着けるようにしてください。
胃炎の原因には、大きく分けて食べすぎ・飲みすぎなど物理的に胃にダメージが起きた場合だけでなく、精神的ストレスから起こる場合もあります。回復させるには、胃への負担が少ない食事に切り替えたり、原因となるストレスを溜めずに解消するよう習慣づけるのが効果的です。ただ、胃炎症状の裏に他の病気が潜んでいる可能性もあるので、長引くようなら病院で診てもらいましょう。
この記事の続きはこちら