喉が痛くないのに声が出ないのはストレスが原因って本当？

喉が痛くないのに声が出ないことってあるの？

声が出なくなる要因にはいくつかの原因がありますが、強いショックやストレスを受けたときに起こるもののひとつに心因性失声症があります。

そもそも声が出るためには、喉にある声帯の動きが大切になります。声帯の構造は筋肉と靭帯からできていて、発声するときには声の高さに合わせてスピードを変化させて開閉を繰り返します。また、食べ物を飲み込むときや、咳払いのときにも締まるように働きます。心因性失声では、飲み込みや咳払いでは声帯の動きが保たれているのも関わらず、声を出そうとするとうまく動かなくなり、ささやき声となります。

ただし、喉の痛みがなく声がでないといった状態の全てが心因性によるものとは限りません。声が出なくなる症状は心理的な原因以外にも起こる可能性があります。声帯にポリープや炎症が生じたことによって声がかすれる状態のほか、脳の損傷によって生じる失語症や、滑らかに話すことが難しい吃音（きつおん）といった、発声に関わる器官の障害や脳の障害とは区別されることが必要です。

失語症とは

失語症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害や事故などが原因で、脳の言語野が損傷することで起こります。話すことだけではなく、聞いたり読んだりして内容を理解することや、書くことが難しくなる症状があります。症状の程度は人それぞれですが、言葉に詰まったり、思うような言葉が出ないなど発話が滑らかではない人もいます。

吃音とは

吃音は、言葉の音を繰り返したり、話し始めにつまるなど、発話が滑らかではない症状があります。原因については研究段階ではありますが、生まれつき吃音になりやすい特徴があるということと、育つ環境が影響しあって生じるものと考えられています。

心因性失声症の原因は

心因性失声症の特徴的な症状は、突然声が出なくなることです。男性よりも女性に多いといわれており、慢性的なストレスや心理的に強いショックを受けたことが原因となるとされています。

現代では以下のように、多くの人がさまざまなストレスを抱えています。

• 仕事で責任ある仕事を任されたがうまくいかない
• 人間関係が難しい
• 子育てや介護で疲れ切っている
• 家族関係がうまくいかない　など

心因性失声症であると判断するためには、急に声が出なくなった原因が、発声に関わる器官の問題ではないことを検査する必要があります。声を生成する声帯の炎症や動きの異常がないか、口腔器官の異常はないかなどの検査が必要です。

また、必要であれば脳や神経の検査を行ったり、言語検査を行うこともあるでしょう。そのほか、心理検査や面談を通して、性格傾向や要因となりうるストレスの強さなどを調べていき、診断やその後の治療方針につなげていくことになるでしょう。

ふたたび声を取り戻すにはどうすればいい？

心因性失声症の原因はさまざまな分、治療方針も異なります。原因となるストレスが除去できたり、やわらげたりできるものであれば、自然と治癒することもあります。また、精神科や耳鼻咽喉科の医師の助言を得ながら、心理療法や言語療法が行われることもあります。カウンセリングを行ったり、ときには発声練習などを試みることもあるでしょう。あまりにも強いストレスや不安がある場合には、入院や、精神安定剤を処方するということもあります。

おわりに：声が出なくなる原因はたくさんある。まずは医師に相談して、適切な治療を受けよう！

声が出なくなる原因には、脳や神経の問題や、発声発語器官の問題によって生じるもののほかに、強いストレスや心理的なショックが原因となる心因性失声症があります。心因性失声症は、女性に多いといわれ、仕事やプライベートでの何らかのストレスが原因となっています。
本人の状態に合わせて、心理的な要因を取り除いたり、和らげるということで改善することもありますが、薬の服用や心理療法、言語療法などが必要とされることもあるでしょう。
なんにせよ声が出なくなったら自己判断せず、専門の医療機関で診てもらい、状態にあった治療を受けるようにしてください。

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声が出なくなる原因って病気以外にもある？対処法は？