記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/2/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
尿路結石は、尿道(腎臓で作られた尿が排出されるまでの経路)のどこかに石が詰まったことで激しい痛みを伴う病気です。この記事では、尿路結石を発症したときの治療法について解説していきます。
尿路結石は、腎臓から尿管、膀胱、尿道と、尿を排泄する経路のどこかに結石ができる病気です。結石が腎臓にある間は自覚症状はほとんどありませんが、腎臓から移動して尿管や膀胱に入ると背中や腰にかけて、激しい痛みが起こります。突然発症し、救急搬送されることも少なくありません。
尿路結石の治療は、結石の大きさや、結石がある位置によって方法が異なりますが、近年では大きく切って行うような開腹手術を行うことは少なくなっています。薬によって尿を増やして結石を体外に排出させる治療や、身体の外から衝撃波を当てたり、入院して内視鏡手術を行ったりして、結石を小さく砕く方法があります。
一般的には、10mm以下の小さな結石では薬を使いながら、尿と一緒に身体の外に排出されることを期待します。結石はすぐに排出されるとは限らないため、痛みを緩和する薬を用いながら、尿を増やしたり、尿路を広げて尿が出やすくなる薬も用います。薬には結石を大きくするのを抑えたり、結石を溶かす作用があるとされる薬もあります。用いられる薬は、内服薬のほか、座薬や注射薬、点滴などがあります。
薬を中心に進める治療は保存的な治療であり、併せて水分をたくさん飲んだり、適度に身体を動かしたりしながら、改善するのを待ちます。おおよそ3~4カ月経過しても改善がみられないときには、別の治療方法も検討することになるでしょう。
全ての尿路結石で、薬だけの治療が適しているわけではありません。保存的治療では改善が難しいとされる大きさの場合や、薬での治療を行っても排石が難しかったりする場合には別の治療を組み合わせることがあります。
せっかく治療によって体内から結石がなくなっても、尿路結石には再発リスクがあります。尿路結石の再発予防には、水分摂取を基本として、食生活の改善が欠かせません。糖尿病や高血圧、脂質異常などの生活習慣病のリスクがある人は、尿路結石のリスクがあるともいわれます。医師の助言や栄養指導を活用して、再発しないよう日常生活に活かしていくことが大切です。
尿路結石は背中や腰に激しい痛みが起こり、救急搬送も少なくはありません。治療方法は、結石の大きさや、合併症などの有無で異なります。痛みを緩和しながら尿と一緒に排出されることを期待することもあれば、内視鏡を用いた手術を行うこともあります。過去に行われていた開腹手術に変わって内視鏡手術が中心となっているため、体への負担は減っていますが、尿路結石は再発のリスクがあります。治療の後は、再発予防の指導を受けて日常生活に活かしていきましょう。
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