記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/1/30
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
発症すると頬にりんごのような赤い発疹が現れる「りんご病」。このりんご病の症状が現れるまでに、どれくらいの期間がかかるのでしょうか。ウイルスに感染してから発症までの潜伏期間や、潜伏期間中の感染リスクなどについてお話ししていきます。
りんご病(伝染性紅斑)は、パルボウイルスB19に感染することで発症するウイルス性疾患です。発症するとりんごのように頬に紅斑がみられることから、この病名がつけられました。主に5歳前後の幼児期の子供の間で流行します。
パルボウイルスB19に感染すると、およそ1週間の潜伏期間を経て、発熱や頭痛といった風邪のような症状が出るようになります。さらに1週間が経った頃に、頬や手足、体幹に紅斑が出現し始めます。
大人の場合は、初期症状として高熱が出ることも多いのですが、子供の場合は熱はほとんど出ないことが多いので、頬の紅斑が突然出現したことでりんご病と発覚するケースも少なくありません。なお、ウイルス感染から紅斑が出現するまでという期間でいえば、潜伏期間は10~20日程度ということになります。
りんご病の感染期間は、パルボウイルスB19に感染してから約1週間~10日程度といわれています。特にウイルスに排出量が多くなるのが、風邪のような初期症状が現れる時期で、逆に紅斑が出現した段階では周囲への感染力はほとんどないとされます。
風邪のような症状が現れるのは、ウイルス感染から約1週間後のことであり、その点では潜伏期間中の感染リスクは低いといえますが、先ほどもお伝えしたように子供の場合は症状がかなり軽いこと、またりんご病にかかった人のおよそ半数は不顕性感染(症状が現れない)なので、症状の有無で感染リスクをはかるのは困難です。
なおりんご病は、主に感染者の唾や飛沫に含まれるウイルスを吸い込むことで感染します。流行期には、風邪のような症状が出ている人とは極力接触を避けることが重要です。
りんご病の病原体であるパルボウイルスB19への抗ウイルス薬は現状存在せず、予防接種もありません。感染を予防したい場合は、主な感染経路である飛沫感染を防ぐことが重要になります。具体的にはマスクの着用、こまめな手洗いうがい、手指のアルコール消毒など、一般的な感染症対策を実施するようにしましょう。
りんご病では紅斑が出現する前に、軽い風邪のような初期症状が現れます。ウイルス感染からこの初期症状が出るまでの潜伏期間はおよそ1週間ですが、風邪のような症状がほとんど出ないケースも少なくありません。潜伏期間かどうかに関わらず、不顕性感染の人が多い以上は知らない間にウイルスをもらってしまう可能性はあるので、妊婦さんなど高リスクの人は流行期の外出に十分注意しましょう。
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