記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2020/1/27
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
自分がしゃべっているとき、相手が一瞬いやそうな顔をされると「もしかして口臭?」と気になったことはありませんか。口臭の原因にはさまざまありますが、ピロリ菌が原因で発症していることもあります。この記事では、口臭の原因として考えられることを紹介しつつ、ピロリ菌が口臭の原因になる理由を紹介します。
口臭の原因にはいろいろありますが、一番多いのは口の中にいる細菌です。口の中には、食べ物のカスや古い細胞などが残っており、これらのたんぱく質を常在菌が分解するときに臭いが発生します。特に、歯垢(=しこう 別名:プラーク)があると、細菌を増殖させるため注意が必要です。また、虫歯や歯周病など、口臭の大きな原因となる病気も引き起こします。
そのほか、歯だけでなく舌の表面にも、舌苔(=ぜったい)と呼ばれる汚れがこびりついています。これは、食べカスや細菌、古くなった細胞などの集まりです。疲れやストレスの蓄積などで増えやすくなりますが、口臭のもとになるため歯ブラシで軽くこすって落としましょう。
このような細菌の活動を抑えるものとして、唾液が重要な役割を果たしています。しかし、加齢や月経などの生理的な原因やストレス、薬や病気などで唾液の分泌が減ると、口臭が強くなるのです。
細菌にかかわる原因のほか、にんにくやニラなどの臭いの強い食べ物や、お酒、タバコや薬など、摂取したものが原因の口臭があります。さらに、虫歯や内科的疾患など、体の不調が原因となる場合もあるでしょう。鼻などの炎症、胃腸の不調、糖尿病、肝臓病など、不調の種類によって口臭の特徴が変わるといいます。
上記のほかに、「自分の口臭がひどい」と思い込んでしまう心因性のものもあります。
ほかにも、口臭の原因のひとつに、ピロリ菌への感染があります。ピロリ菌は、胃の粘膜に生息し、胃炎や胃潰瘍などの胃の病気に深くかかわっているとされる細菌です。一度でも感染すると、多くの場合、除菌しない限り胃の中に棲みつづけます。
ピロリ菌は胃酸の中でも溶かされないように、アンモニアを分泌して胃酸を中和しています。このアンモニアが、口臭の原因となるのです。そのため、ピロリ菌の除菌によって、胃の調子だけでなく口臭が改善される場合があります。特に心当たりがないのに、口臭が気になるときは、胃の検査をしてみるとよいかもしれません。
ピロリ菌に感染しているかどうかを確認する検査として、吐いた息を集めてその尿素を調べる尿素呼気試験があります。検査薬(尿素)を飲んだ後、呼気を集めて採取し、含まれる二酸化炭素濃度を測定する検査です。ピロリ菌が生きて活動している場合、尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解する酵素(ウレアーゼ)が生成されるため、活きたピロリ菌の存在を検知することができます。この検査は、除菌治療後にわずかに残った菌も探知できるほどといわれています。
口臭の原因にはさまざまなものがありますが、そのひとつに、ピロリ菌への感染があります。ピロリ菌は、胃の粘膜に生息し、胃炎や胃潰瘍などの胃の病気に深くかかわっているとされる細菌です。胃酸の中でも溶かされないようにアンモニアを分泌しており、これが口臭の原因となります。尿素呼気試験で、胃の検査をしてみるとよいでしょう。