記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/5/18 記事改定日: 2020/1/23
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
手の甲にズキズキとした痛みがあると、何かの病気やケガではないかと不安になりますよね。今回は、いざというときに慌てないように知っておきたい、手の甲のズキズキとした痛みの原因について解説していきます。
手の甲のズキズキとした痛みの原因には、手の甲を形成する骨や筋肉、腱鞘などにダメージが生じることによるもの、手の甲を走行する神経に異常が生じるものが挙げられます。
骨や筋肉、腱鞘などのダメージは打撲などの外傷の他、手や指をよく使う仕事についている人は腱や腱鞘の使い過ぎによる腱鞘炎などを引き起こすこともあります。
これらの原因による手の甲の痛みは手や指を安静にすることで改善していくことがほとんどです。ただし、骨折がある場合は手術が必要になることもありますので、痛みが続くときやあまりにもひどい痛みがあるときはできるだけ早く病院を受診しましょう。
一方、神経に異常が生じることによる痛みは、ガングリオンや脂肪腫など手の甲にできる腫瘍が神経を巻き込んで刺激することがおもな原因となります。痛みのほか、しびれや手指の動かしにくさなどを自覚することも少なくありません。
手の甲に腫れやズキズキとした痛みがあるときの原因として、骨折や打撲などの外傷、腱鞘炎などが考えられます。
このうち、手の甲に痛みや腫れがあらわれる前に手の甲をぶつけた覚えがある場合、以下いずれかの外傷が原因で症状が出ている可能性があります。
中手骨とは、手のひら・手の甲にある5本の骨のことです。
中手骨に捻りや圧迫、衝撃など強い力が加わり折れてしまうと、手の甲に腫れと痛みが出ます。痛みの感じ方に個人差はありますが、ズキズキとした拍動性の痛みを感じることもあるでしょう。
外部からの強い衝撃により、皮下の組織や血管・筋肉などが損傷した状態です。骨折には至っていないものの、手の甲に強い痛みと腫れを起こすことがあります。
特に手をぶつけたり、ケガをした覚えがなくても、普段から仕事や日常生活のために手を酷使している場合は、ドゲルバン病などのような、いわゆる「腱鞘炎(けんしょうえん)」が原因で手の甲に痛みが起きることがあります。
腱鞘炎は、親指を曲げ伸ばしする腱を手首のあたりで包んでいる腱鞘という組織が、炎症を起こした状態です。発症すると、親指の曲げ伸ばしが痛む症状とともに、手の甲の腫れや痛みも伴います。
以下のような動作を日常的に頻繁に繰り返す人は、腱と腱鞘がこすれ、炎症を起こしやすいです。
手の甲の中心に腫れではなく「できもの」や「コブ」のようなものがある場合、ガングリオンの可能性が考えられます。
ガングリオンは、手首など関節に体液が溜まることでできた腫瘤の一種です。発症原因ははっきりとは分かっておらず、発症者には女性が多いとされますが、基本的にはすべての性別・年代に発症します。
症状には個人差があるので、発症した人すべてに痛みが出るわけではありませんが、ガングリオンが神経を圧迫したり傷つけたりすると、ズキズキとした痛みが出ることがあります。
手の甲がズキズキ痛み、腫れている場合の原因は人によってさまざまです。今回は骨折や打撲などの外傷、腱鞘炎、ガングリオンの3つの可能性・特徴をご紹介しましたが、必ずしもこれらに該当するとは限りません。
ほかの疾患が原因で手の甲の腫れ・痛みが起こっている可能性も考えられますので、気になる手の甲の腫れ・痛みがある場合は、整形外科や皮膚科の病院に行きましょう。