記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/3/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「骨髄バンクのドナーが足りない」という話を耳にしたことがあるかもしれません。なぜドナーが足りない状態になってしまうのでしょうか。この記事では、ドナーを随時募集している理由やドナー登録の方法、登録条件などをまとめました。
血液型として馴染みのあるA・B・AB・Oは赤血球の型で、白血球にもHLA型(ヒト白血球抗原の略)と呼ばれる型があります。
造血幹細胞移植をするには、ドナー(提供者)側と、患者のHLA型が適合する必要があるのですが、HLA型の組み合わせは数万通りあり、一致する人がなかなか見つからないのが現状です。
確率的には血縁者である兄弟や姉妹でも4分の1です。血のつながりのない他人になると、数百から数万分の1という大変低い確率でしか適合しません。血縁者にHLA型の適合者がいれば良いのですが、そうでない場合は患者が自力でドナーを探すのは非常に難しいです。
骨髄バンクに登録するには、以下のような手続きが必要です。
骨髄摂取のためには、まずは「ドナーとは何か?」「なぜ通院や入院が必要なのか?」といったことを十分に理解する必要があります。献血ルームや保健所などの「ドナー登録窓口」で配布されている、骨髄バンクのパンフレットをしっかりと読み、同意事項の確認をしましょう。
パンフレットは日本骨髄バンクのホームページでも無料で閲覧できます。
申込書は献血ルームなどの登録窓口に置いてあります。また、日本骨髄バンクのホームページにも用意されており、自分で印刷することもできます。
記入した登録申込書を提出します。
このほかにも、官公庁、企業、地方自治体、日本赤十字社、企業などの協力で開催されている「ドナー登録会」でも登録可能です。また、献血バスでも申込書がもらえたり、申込書を提出できたりする場合があります。こちらは日本骨髄バンクのホームページで最寄りのドナー登録窓口を検索できます。
病院で約2mlの血液を腕の静脈から採血し、HLA型をチェックします。無料の血液検査ですが、健康診断のような検査や、感染症のチェックなどは含まれません。
また、骨髄・末梢血幹細胞を患者に提供する際の、公平性の保持のため「HLA型をチェックしても結果は教えてもらえない」というルールがあります。
ドナー登録が完了すると、ドナーカードがもらえます。後日、日本赤十字社から登録確認書が送付されて登録完了です。
骨髄バンクのドナー登録には、年齢制限などの条件があります。
ドナーになりたいと思っても、登録できない場合もあります。
ドナー申し込みは、街の献血ルームなどでドナー登録のパンフレットをもらい、しっかりと読み、申込書に記入・署名をして提出するだけです。ただし、実際に骨髄・末梢血幹細胞の提供ができるかどうかは、その後の検査しだいとなります。
HLA型の組み合わせは数万通りあるため、ひとりでも多くのドナー登録が欠かせません。多くの人を助けるためにも、ぜひ登録していただければと思います。