骨髄バンクって誰でも登録できるの?登録までの流れは?

2019/3/16

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

白血病や再生不良性貧血など、血液に関する病気の治療法として骨髄移植があります。骨髄移植は家族間で行うこともあれば、「骨髄バンク」を通して、第三者から提供された骨髄で行うこともあります。今回は、骨髄バンクに登録できる条件や登録方法などをご紹介します。

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骨髄バンクとは

「骨髄バンク」は、白血病を始めとする血液疾患と闘う患者さんを1人でも多く救うために、1人でも多くの方にドナー登録をしてもらうことを目的としています。骨髄バンクは1992年に開始されて以来、多くの患者さんを救ってきた実績をもっています。以前は治すことが難しいとされていた白血病や再生不良性貧血などの病気は、骨髄移植や末梢血幹細胞移植(血液をつくる機能を健康な状態に戻す治療法)によって多くの人が治るようになったといわれています。

ただし、移植するためにには骨髄や末梢血幹細胞を提供してくれるドナーと患者さんの白血球の型が一致しなければなりませんが、この確率は極めて低いことが知られています(兄弟姉妹間でも4人に1人、それ以外では数百から数万人に1人)。現在も、移植を受けられない患者さんが毎年少なくとも約2,000人はいると考えられています。このため、1人でも多くの方にドナー登録してもらうことが、1人でも多くの患者さんを救うことにつながっているといえます。

骨髄バンクにドナー登録する条件は?

骨髄バンクに登録できる人の条件は、主に以下の通りです。

  • 骨髄や末梢血幹細胞を提供する内容を十分に理解している
  • 体重が男性の場合は45kg以上、女性の場合は40kg以上ある
  • 年齢が18歳以上54歳以下である
  • 健康である

ただし、ドナーに登録した後の健康状態によっては、次の段階へ進めない場合もあります。また、移植するにあたっては家族の同意も必要です。さらに、ドナー登録自体は18歳からできますが、実際に骨髄などを提供できるのは20歳を超えてからとされています。

ドナー登録できないこともある?

骨髄バンクでは、主に以下のような場合には登録できないことが知られています。

病気

  • 治療中の病気(特に肝臓病や糖尿病などの慢性疾患)がある、または服薬中である
  • エイズやウイルス性肝炎などの感染症にかかっている

既往歴

  • 悪性腫瘍、自己免疫疾患、先天性心疾患、心筋梗塞、狭心症などがある

体重と血圧

  • 最高血圧が151以上または89以下、最低血圧が101以上である
  • 過度の肥満(体重kg÷身長m÷身長mが30以上)である

その他

  • 本人または家族に悪性高熱症の病歴がある
  • 貧血や血液の病気をもっている
  • これまでに輸血を受けたことがある
  • 食事や薬などでひどい発疹が出る、呼吸困難になる

治療中の病気がある、既往歴がある場合、骨髄や末梢血管細胞を取ることで健康状態が悪くなる恐れがあります。また、場合によっては移植した際の患者さんの健康に影響を及ぼす可能性もあります。

ドナー登録するにはどうすればいいの?

ドナー登録のためには、まず骨髄や末梢血管細胞を提供するための内容を十分に理解する必要があります。公式ホームページなどでしっかりと確認した上で、登録申込書に必要事項を記入し、ドナー登録会や近くの登録窓口へ足を運んで申し込みましょう。その際、2mlほどの採血を行って登録完了となります。

おわりに:骨髄バンクへの登録には条件があります

骨髄バンクに登録するには、骨髄移植に関する知識を深めるのはもちろん、登録条件についても学ぶことが大切です。この記事や公式サイトの情報を確認してから、ドナー登録会や窓口へ足を運びましょう。

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