記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/3/21
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
病院に行くと処方される抗生物質。似たような症状になったとき、薬局で入手できたら…と考えたことがあるかもしれません。抗生物質を配合した薬は、薬局で購入できるのでしょうか。また、インターネットで販売されている抗生物質を入手しても問題ないのでしょうか。
「抗生物質」とは、微生物によってつくられた抗菌薬です。薬局で購入できる抗生物質もありますが、その種類は以下にご紹介するものだけに限られています。
市販の内服薬で、抗生物質を含むものはありません。したがって、どうしても抗生物質を服用したい場合は、病院に行って医師の診察を受けて処方してもらう必要があります。
ちなみに、市販されている抗生物質を配合した外用薬や目薬を購入する場合、治療中の人や症状の重い人、アレルギー症状を起こしたことがある人、妊婦や高齢者などは、購入時に医師や薬剤師または登録販売者に相談することになっています。
抗生物質には、細菌の細胞壁合成を阻害する「ペニシリン系抗生物質」と「セフェム系抗生物質」、細菌のタンパク質合成を阻害する「マクロライド系抗生物質」と「テトラサイクリン系抗生物質」、細菌のDNA合成を阻害する「ニューキノロン系抗生物質」などがあります。
薬局やドラッグストアでこれらの抗生物質を購入することはできませんが、法的制限はあるものの、ジェネリックも含めてインターネットで個人輸入することはできます。
しかし、偏った情報をもとに服用したために、命を落としてしまったり、思わぬ副作用で苦しむことも考えられます。薬の副作用で入院などした場合、「医薬品副作用被害救済制度」で補償を受けることができますが、個人輸入の医薬品が原因で入院などした場合はこの制度の対象にはなりません。
また、抗生物質は適切に服用しないと薬剤耐性菌(これまで効いていた薬が効かない細菌が生まれてしまうこと)を作り出してしまう恐れもあります。抗生物質は、正しい情報や、適切な服用量・方法を知らないまま服用するのは危険なのです。
抗生物質は、医療機関で診察を受け、その抗生物質が自分の症状を治すために本当に必要なのかを診断してもらった上で服用することが大切です。安易に通販などで購入し、利用するのはやめましょう。
薬局で購入できる抗生物質は、外用薬と点眼薬に限られ、内服薬はありません。インターネットで個人的に抗生物質を入手することもできますが、重度の副作用に見舞われる可能性がありますし、不必要に薬剤耐性菌を作り出してしまう恐れもあります。安易に通販で購入するのは、絶対に控えてください。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。