記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/6/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
主に加齢とともに骨が弱って脆くなり、骨折しやすくなることで起こる骨粗鬆症の治療は、食事や運動療法とあわせて投薬でも行われるようになってきました。この記事では、骨粗鬆症治療薬の「ビスホスホネート製剤」について、その特徴や種類、使用するにあたっての注意点をご紹介します。
人間の骨は、古い骨の分解と修復を繰り返すことで、丈夫で健康な状態を保っています。この分解と修復のバランスが乱れることが原因で、骨密度が下がって骨が弱く脆くなり、ちょっとした衝撃でも骨折するようになるのが「骨粗鬆症」です。
ビスホスホネート製剤には、骨が破壊・修復されるサイクルを整えるとともに、骨を破壊する細胞の働きを抑えて、骨が脆くなるのを防ぐ作用があります。骨粗しょう症治療に非常に効果的な薬として積極的に使われていますが、医師の指示通りに正しく服用しないと効果が下がったり、副作用が出やすくなる特徴を持っています。
また、同じビスホスホネート製剤でも種類によって服用回数が異なったり、食事や他の薬との飲み合わせに制限が出ることもあるので注意が必要です。
ビスホスホネート製剤は、服用する頻度・回数により「毎日服用するもの」「週1回服用するもの」「4週に1回服用するもの」の3種類に分けることができます。
ただし、同じ有効成分を含有する種類の薬剤であっても、1回の服用分に含まれる成分量によっては、服用の頻度・回数が変わるのが大きな特徴です。以下に、ビスホスホネート製剤の具体的な薬剤名と、それぞれに含まれる有効成分量別の服用の頻度・回数を紹介します。
ただし、ボナロン®︎には上記の錠剤タイプ以外にも、週に1回服用するゼリータイプや、4週に1回静脈注入する点滴用液剤などがあります。
ビスホスホネート製剤は、他の飲食物や薬剤と混ざると、薬効が下がってしまいます。このため、起床後すぐ、胃の中に何も入っていない状態でコップ1杯の軟水のミネラルウォーターで、噛まずに服用する必要があります。
また、ビスホスホネート製剤の効果を正しく得るために、服用後も30~60分は以下のような制限があります。
なお、朝一番に薬を飲み忘れて食事を摂ってしまった場合は、その日は服用せず、翌朝に1回分のみ服用しましょう。また、もし長期にわたって飲み忘れた場合は、医師または薬剤師に相談しましょう。
ビスホスホネート製剤の服用中に起こる可能性がある副作用として、以下の2つがあります。
顎の骨に副作用が現れることは非常にまれです。しかし念のため、ビスホスホネート製剤の服用中は口の中の痛みや違和感、歯科治療などに注意し、何かあればすぐ医師に相談しましょう。
ビスホスホネート製剤は、骨の細胞が破壊・修復するサイクルを整えるとともに、骨を破壊する細胞の働きを抑えることができる骨粗鬆症治療薬です。骨粗鬆症治療に最も効果的な薬剤として積極的に使われていますが、きちんと効果を得るためには、飲み方や服用の回数・頻度を守る必要があります。朝一番に服用しないと効果が落ちてしまうなど、面倒な薬ではありますが、うまく生活習慣に取り入れて、指示通り服用してください。