うつ病の初期症状と身近な人にできるサポート

2022/10/27

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

気分が落ち込むことは誰にでも起こりうることですが、落ち込んだ状態が長期間続いて食欲がなくなったり、今までなら楽しめていたことが手に付かなくなったりしていたら、少し心が疲れているのかもしれません。この記事では、うつ病の初期症状としてどのようなものがあるかをご紹介していきます。

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うつ病とは

うつ病は気分障がいの一種で、エネルギーの欠乏によって脳にトラブルが生じた状態です。心理的な症状として憂うつな気分やさまざまな意欲の低下が続きます。日常生活において、何かしらのきっかけで憂うつな気分になったり、食欲が低下したりすることは誰にでもあることですが、脳のエネルギーが欠乏していなければ、人間に本来備わっている自然治癒力によって時間の経過とともに元気になっていきます。しかし、うつ病の状態だと時間が経っても改善しない傾向にあり、悪化すると社会生活にも支障をきたすようになります。

うつ病の初期症状

うつ病は発症日を特定できる病気ではなく、ふと気づいたら以前とは違う状態になっていることが多い病気です。とはいえ、初期症状のサインがないわけではありません。周囲の方が気づきやすいサインとして、以下のようなものがあります。

  • 元気がない
  • 口数が少ない
  • ぼんやりしている
  • 以前からの趣味に興味を示さない
  • 好物だった食べ物にも食欲がわかない
  • 作業の能率が下がる
  • ミスが増える
  • 集中力が低下している、気分にムラがある
  • イライラしている

身近な人がうつ病かも?と思ったら

心が不調なときに一番大切なのは、安心して休息することです。家庭では、さりげなく気遣うことで安心感を与え、憩いの時間をとってもらうようにしましょう。うつ病の進行を防止するだけでなく、回復力を促すことにもつながります。本人が話したいようであればゆっくりと耳を傾け、否定せず理解してあげようという姿勢で見守りましょう。

以前と違う状態が続くようであれば、病院に行くことを勧めてみるのも一つの手です。通院を勧めるときは、うつ病という言葉は使わずに、疲れが抜けない状態が続いているので心配だという気持ちを伝え、できれば初診のときは付き添ってあげると良いでしょう。精神科や心療内科を直接勧めるのは気が引けるという場合には、かかりつけ医を通じて専門医を紹介してもらいましょう。また、電話などによる無料相談機関を利用することもできます。

おわりに:うつ病の早期発見&対処には、周囲の気付きと支えが重要

うつ病は自分では気づけないケースが多いため、悪化する前に周囲の方が異変をキャッチすることが大切です。「以前とは様子が違う」と感じるときが続いたら、本人の話をゆっくりと聞く時間を設けたり、通院のアシストをしたりなど必要なサポートをしてあげてください。

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