記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
血糖値の正常値とはどのくらいなのでしょうか?また、血糖値が高くなってきたらどのように改善すればいいのでしょうか?血糖値の数値の見方や血糖値を下げる方法などについて解説していきます。
血糖値を表す際に用いられるmg/dLという単位は、正確には「ミリグラム・パー・デシリットル」と呼び、血液1dLあたりに含まれているブドウ糖の量(何ミリグラムか)を示しています。血液1dLは100mL(100cc)と同量となります。
糖尿病を患っていない人の空腹時の血糖値は110mg/dL未満で、食後2時間経過した頃の血糖値は140mg/dL未満となります。
糖尿病患者の空腹時の血糖値は126mg/dL以上、随時血糖値も200mg/dL以上となります。
ただし、糖尿病の初期の状態では空腹時に血糖値の上昇が見られないことも少なくないため、そのような場合には75g経口ブドウ糖負荷試験と呼ばれる、サイダーのような飲料水を飲んだ後に定期的に採血をして血糖の上昇を調べる検査を行います。
そして2時間後に血糖値が200mg/dL以上の状態であれば、糖尿病型と診断が下されます。また、糖尿病が進行すると、空腹時の血糖が少しずつ上昇していくようになります。
糖尿病とは、膵臓から出るインスリンの分泌や働きが低下する2型糖尿病と、インスリンを産生する細胞が壊れることによりインスリンが分泌されなくなる1型糖尿病に分けられます。
インスリンの減少や働きの低下が起こると、食事から摂取したブドウ糖を体内でうまく活用できなくなり、血液中にブドウ糖が蓄積され高血糖となります。そして、高血糖を治療せずに放置していると、様々な異常や合併症が引き起こされるようになるのです。
そのような状態にならないためには、以下のような食事療法を行うことが大切です。
1型と2型のどちらの場合も、食事制限をしっかりと行わなければ、血糖コントロールや他の治療の効果が上がらないため、きちんと行うことが大切になります。
食事療法では、膵臓の負担を軽減することで機能回復を促したり、インスリンの補給をして血糖コントロールをスムーズにすることなどを目的として行います。
そのためには、以下のような適切なカロリー(エネルギー)量を目安にして、食事をすることが大切になります。
1)標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
2)身体活動量=体を動かす程度により決まるエネルギー必要量(kcal/kg標準体重)
ただし、糖尿病患者が食事から摂取すべき適切なエネルギー摂取量は、年齢、性別、身体の大きさ、運動量などにより異なるため、医師や医療スタッフはその違いを考慮して1人ひとりに合ったエネルギー摂取量(指示エネルギー量)を提示します。
食事療法を行う時には、この指示エネルギー量の範囲内で栄養バランスのとれた食品を選ぶことが大切になります。
食事療法では基本的に、食べてはいけない食品というものはなく、定められた指示エネルギー量の範囲内で、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの必要な栄養素を過不足なく摂取することが重要になります。
しかし、指示エネルギー表だけでは普段食べている食品のカロリーがわかりづらいため、食品交換表と呼ばれるものが一緒に渡されます。
食品交換表とは、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養を含む食品が6種類に分類されたもので、指示エネルギー量が食品交換表の何単位に該当するのかが記載されています。
具体的には、食品が含むエネルギー量80kcalを1単位とした場合の、1単位分の各食品のグラム数がわかるようになっており、表中の同じ単位どうしのものであれば、どの食品を摂取しても良いとされています。
食事療法は、糖尿病の血糖コントロールや合併症予防などを目的に行うものです。
食事療法を続けていくためにはまず、食生活のチェックポイント(食事の量・内容・時間・スピード・バランス・間食の有無など)を確認して、自分の普段の食習慣を見直すことが大切になります。
基本的には、血糖値が200ml/dL以上と認められる場合は、糖尿病型の可能性があると診断されます。血糖値を下げるためには食事療法が重要なため、カロリー摂取量や栄養バランスのとれた食事をすることが必要となります。医師から提示された指示エネルギー量や食品交換表をもとに、日頃の食生活の改善を行っていきましょう。
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